「人工知能(AI)が仕事を奪う」という話を聞いたことがありますか?
例えば、セルフレジ。最近、スーパーなどで見かけるようになりましたが、そう遠くない将来にはレジ係は現状の半分以下になると言われています。また、経理事務員や銀行窓口係といった職種もAIに置き換わり、ホワイトカラーの代表格である弁護士や税理士といった「士業」でさえも全滅時代が来ると予想されています。日本は規制も多くありますので、少しは残るのかもしれませんが、どうなるのでしょうか。
AIは自ら学び進化する
AIは単なるコンピュータのプログラムではなく、自ら学び進化していく特徴があります。囲碁や将棋の世界では、AIが過去の対局を繰り返し学習することで、世界チャンピオンに勝利するまでに進化しました。
大きな波が来ている
2010年代よりAlphabet(Google)、Intel、MicrosoftなどのIT企業がAI関連スタートアップへの投資を行っており、現在、AIは第3次ブームの真っただ中にあります。ブームの背景としては、インターネットの普及によりデータ量が飛躍的に拡大したことが挙げられます。これまで成し遂げられなかった深層学習(ディープラーニング)が可能となりました。
2045年には人口の1割しか働けなくなる
人間がこれまで「勘」や「経験」で進めきた専門性の高い仕事もAIは「学習」することで、人間以上の効率で仕事をするようになると予想されています。今後AIがさらに進化し普及するにつれ、ホワイトカラーも雇用が危ぶまれていて、30年後には人口の1割しか働けなくなるとの試算もあります。技術が発達することに起因する雇用の喪失である「技術的失業」も予想されています。
AIによる効率化と「働かない時代」の到来
仕事がAIに奪われてしまうことが予想されていて、将来を不安に感じる方も多いでしょう。しかし、駒沢大学の井上智洋准教授は「効率が上がるのは悪いことではない。ベーシックインカム(basic income、最低所得保障)を政府が給付することで、人口の1割しか働かなくても、今と同様あるいはそれ以上の成長が可能なのではないか」と述べています。
ベーシックインカム
ベーシックインカムとは、聞きなれない言葉ですが、既に導入について検討している国もあるようです。次号で詳しくお伝えする予定です。