中村亨の「ビジネスEYE」です。
2022年には電子帳簿保存法や個人情報保護法をはじめ、
企業に大きな影響を与える可能性のある法改正が予定されています。
当グループでは法改正に伴うセミナーをいくつか開催していますが、
いずれも多くのお客様にご参加いただき、注目度の高さがうかがえます。
今回のビジネスEYEでは、注目度の高いものを中心に2022年の法務トピックを見ていきましょう。
(参考:日本経済新聞1月24日)
2022年の主な法改正
2022年の法改正のうち、主なものを挙げると以下の通りです。(カッコ内は施行時期)
- 電子帳簿保存法(1月)
- 個人情報保護法(4月)
- 育児・介護休業法(4月、10月)
- 労働施策総合推進法(4月)
- 女性活躍推進法(4月)
- 公益通報者保護法(6月)
- 厚生年金保険法・健康保険法(10月)
上記はあくまでも一例ですが、企業にとっては見逃せない法改正が続きます。
日本経済新聞社が2021年10月に実施した企業法務税務・弁護士調査によれば、
弁護士が最も注目したのが「個人情報保護法の改正」、その次が「公益通報者保護法の改正」だそうです。
これらの改正内容について見ていきましょう。
個人情報保護法の改正
個人情報保護法は、社会・経済情勢の変化を踏まえて3年ごとに見直しが行われています。
今回の改正におけるポイントは次の6つです。
- 個人の権利保護強化
- 事業者の責務の追加
- 企業の特定分野を対象とする団体の認定
- データの利活用促進
- 法令違反に対するペナルティの強化
- 外国事業者に対する、報告徴収などの罰則追加
改正によって、本人が情報の利用停止、または第三者提供の停止を請求できる場合が広がりました。
個人情報取扱事業者の不適切な利用の禁止が明文化され、
命令違反やデータベースの不正利用をした法人に対する罰金が引き上げられます。
今一度プライバシーポリシーや社内規程等を見直し、
法に則した形で適切に個人情報の取り扱いができる体制を整える必要があります。
公益通報者保護法の改正
企業による不祥事は後を絶ちません。
今回の改正では、不正を早期に発見・是正し、被害拡大を防止することを目的としています。
ポイントは次の6つです。
- 公益通報への対応体制整備と公益通報対応業務従事者指定の義務付け
※従業員数300人以下の中小事業者は努力義務 - 内部調査等に従事する者に対する情報の守秘義務
- 行政機関等への通報の条件緩和
- 保護される通報者の範囲拡大
- 保護される通報の範囲拡大
- 保護の内容拡大
2022年に予定されている法改正の一例として、注目度の高い上記内容を挙げましたが、
その他にも育休取得率が低い男性をターゲットとした育児・介護休業法の改正や、
中小企業向けにもパワハラ防止措置を義務付けることになる労働施策総合推進法の改正が行われます。
既に社内体制の整備に向けて動かれていることかと思います。
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