リスクマネジメントに必須!?
企業を守る生命保険の活用

中小企業庁が公表している2024年の企業倒産件数は1万6件(※)で、前年の8,690件に比べて15%以上も増加していることになります。((※)負債総額が1,000万円以上)
企業を取り巻く様々なリスクについて経営者の方は様々な対策を講じる必要があり、企業防衛のための財務強化、キャッシュフローの安定、為替変動、物価上昇、事業保障資金の確保、相続・事業承継対策、そして新型コロナウィルスのような不測の事態にも臨機応変に対応しなければいけません。
これらのリスクを軽減・解消するために生命保険の活用が効果的と言われています。
そこで今回は、企業のリスクマネジメントに活用できる生命保険についてお話いたします。
■企業防衛のために生命保険が出来ること
- 役員保障対策
- 事業承継/相続対策
- 設備資金対策
- 運用商品としての対策
- 病気や怪我で働けなくなった時の対策
- 不動産所有に対する対策
- 契約者貸付
1.役員保障対策
中小企業はオーナー社長に病気やケガが発生すると全ての機能が停止してしまうリスクがあります。保険の加入により有事の際には、個人や会社が負う損害額に対して保険金を充当する事が可能です。
また死亡などのリスクに関して、保険請求から5営業日前後には保険金が振込みされる為、早急に相続人に対して死亡退職金を支給する事が出来て、相続人の生活維持が可能になります。 (個人で預金を所有している場合には、預金口座凍結により引出できない可能性あります。)
また、生命保険は「500万円 × 法定相続人」の金額分相続税の非課税枠としても適用可能で、かつ、個人の所得に対して生命保険料控除として活用ができます。
2.事業承継/相続対策
生命保険を活用した退職金積立てにより、相続税の納税資金確保が可能になります。
退職金支給時に、前払保険料相当額の純資産が減少するため、自己株式評価の圧縮が可能になり、後継者に株式を引き渡しやすくなります。また法人の場合は、退職金の支給で損失が発生した場合には、その損失を翌期以降10年間繰越が可能で、事業承継後に発生する利益と相殺することで、キャッシュフローの健全化を図ることも出来ます。
3.設備資金対策
賃貸用不動産を所有されている場合は、外壁・屋上工事に関して15年~20年周期で多額の修繕費用が発生します。保険の解約返戻金を活用する事で対策が可能になります。
4.運用商品としての対策
物価は上昇傾向にありますが、継続的な景気後退により商品・サービスの価格を上げる事もできない状況です。将来の物価高に備えて、将来の資金を確保するため運用する事の重要性が増していますが、保険の活用によって長期的な安定運用も可能です。
為替の変動リスクを伴いますが、長期で保有する生命保険だからこそ、物価上昇への対策がより効果的です。
5.病気や怪我で働けなくなった時の対策
役員や従業員の方の病気やケガに対する保険設計も可能です。
養老保険は保険料の1/2を損金計上しながら、従業員様の福利厚生対策が可能になります。
※養老保険
被保険者:従業員様、満期保険金受取:法人、死亡保険金受取:従業員家族
6.不動産所有に対する対策
不動産を所有されている方は、当然のように損害保険の加入が必要です。損害保険は財物リスク・賠償リスク・事業リスクを原因とする多額の損害金に対して対策する事も可能になります。生命保険とは違い、加入中は全額損金計上になり、事故発生時も実損金額を補填します。
7.契約者貸付
保険の解約返戻金(70~90%相当分を担保)を活用して保険会社から契約者貸付を受ける事が可能です。資金用途に制限が無いため、様々な用途で活用が可能です。借入完済後は、保障も満額受取可能になります。有事の際、金融機関からの融資では入金までに時間を要しますが、契約者貸付であれば、保険会社承認後5営業日前後で振込みがされるため、早期に資金確保が可能になります。
■まとめ
保険はただ加入するだけでは効果が薄く、出口対策が必須です。「退職給与」や「修繕費」、「運用」など目的を持った加入をする事で、保険料加入期間中の経費計上分のメリットを享受する事が可能です。保険活用の時期をあらかじめ予測することで、今後発生しうる様々なリスクに対応することが経営者の方にとって重要な業務と言えるでしょう。
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