2026.01.28
相続
不動産小口化商品ラストイヤー?
~2026年税制改正の影響~

相続税の評価をする上で、貸付用の不動産を所有することは、その不動産の時価と相続評価額の差額が大きくなる傾向があるため、相続財産の圧縮効果を狙って、生前の対策スキームとして活用されてきました。
-2026年度税制改正速報-急な生前対策はNG?
~貸付用不動産の評価方法の見直し~
2026年度の税制改正において、この貸付不動産の評価額に対して規制が入りました。
そして、もう一つ「不動産小口化商品」という、ここ数年で相続対策に活用され始めたものにも
相続税や贈与税の圧縮効果を制限する改正が入ってしまいました。
そこで今回は、2026年度の税制改正のうち、不動産小口化商品の評価方法の見直しについて詳しく解説いたします。
1不動産小口化商品とは?
不動産小口化商品とは、不動産を一口100万円から1,000万円程度に小口化して販売して、賃料収入や売却益をその投資額に応じて出資者に分配する商品です。
アパートやマンションを1棟、もしくはマンションの1室などを購入する実物不動産投資では、お一人で単独購入をするので、多額の資金や借入が必要になり、
また入退去や維持管理の修繕費用なども、自分で管理をしなければいけません。
不動段小口化商品は、れっきとした現物不動産の保有者になる商品であり、
かつ少額から不動産投資ができるため、資金的に無理なく始められることと、
維持管理などの対応は全て不動産を管理する事業者がしてくれるので、
面倒な管理も不要で、投資や相続対策の手法の一つとして活用されてきました。
2不動産小口化商品の節税効果
不動産小口化商品は、現物の不動産を所有していることと変わりませんので、
土地や建物の評価として、路線価や固定資産税の評価額などを用いる、相続税の計算基準で評価をします。
一般的には土地の路線価評価は時価の80%程度、建物の固定資産税評価額は
時価の60%程度により評価されることが多く、賃貸しているものについては、
貸家建付地として評価額が減額されます。
特に都心部では路線価評価と時価の乖離が大きく、区分所有のものは、
所有している土地の面積が小さいため、さらに評価額が低く評価される特徴があります。
不動産小口化商品は、都心部の一等地に組成される物件が多いため、
取引価格と相続評価額との乖離が大きくなりやすく、購入価額に対して相続税評価額が20~30%程度になっていたので、相続税や贈与税の節税効果が非常に高いメリットがありました。。
3税制改正の内容とは?
上述した通り、不動産小口化商品は相続評価を圧縮するという点で非常に効果が高かったのですが、
今回の税制改正により、任意組合型又は信託受益権型の不動産小口化商品については、
いつ購入したかに関わらず、相続開始時又は贈与時における「通常の取引価格に相当する金額」によって評価することになりました。
「通常の取引価格」とは、通常は事業者が把握している適正な売買実例価額をベースに考えることになりますので、
市場で売買される金額で評価がされるという事です。
売買実例価格がないと認められる場合には、貸付用不動産の評価方法準じて、
取得価額をベースに80%で評価が可能ですが、流通性の高い市場取引がされているものなので、
基本的には購入金額に近い金額になってしまうかと思われます。。
この改正は2027年1月1日以後に相続等から適用が開始されます。
この改正は取得時期にかかわらず、「通常の取引価額」で評価されますので、
2027年1月1日以後、節税効果はなくなってしまいます。
4実務上の影響は?
令和8年12月31日までに相続が発生する場合、もしくは贈与をした場合には、
従来の評価方法になるため、その期間であれば節税効果もあります。
ただし、特に注意すべきは贈与を行った場合で、法律上は従来の評価額で圧縮効果の恩恵を受けることが出来ますが、
税務調査などが入った場合、相続評価額ではなく売買時価で評価すべきと指摘される可能性があるので、慎重な判断が必要です。
これから購入を検討していた方は、ほとんど節税効果がなくなってしまったので、
投資商品としての優位性を考慮に入れて、ご検討をされるのがよろしいかと思います。
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