2026.03.03
会計・税務
3月決算企業が今知っておきたい ― 税制改正のポイントと実務の留意点
目次

昨年12月に「令和8年度税制改正大綱」が公表されました。
ニュースなどで目にする機会も多く、すでに情報収集を始めている企業さまも多いかと思います。
ただし、令和8年度大綱で示された改正の多くは 令和8年4月以降に始まる事業年度から適用 されます。
つまり、3月決算法人に影響するのは令和9年3月期以降。実務に直結するのはもう少し先です。
一方、いままさに決算・申告を迎える 令和8年3月期 で適用されるのは、前年の 令和7年度税制改正 の内容です。
「どの項目が今年の申告に影響するのか」「決算時に何を確認すべきか」——迷いやすいタイミングでもあります。
そこで本コラムでは、3月決算企業が押さえておくべき5つの改正ポイント をわかりやすく整理して解説します。
3月18日(水)14:00〜開催の税制改正セミナーでは、これらの内容を事例を交えながらさらに詳しくお話しします。
1中小法人の“軽減税率”はどう変わる?【令和7年度改正】
中小企業の資金繰りを支援する目的で、法人税の軽減税率15%(所得800万円以下)が延長されました。
加えて、所得金額が10億円を超える中小法人 については税率が細分化され、より複雑な区分となっています。
- 800万円以下:17%
- 800万円超:23.2%
対象は 資本金1億円以下の法人。令和8年3月期から適用です。
▼ポイント
- 同じ「資本金1億円以下」でも 所得規模で税率が変わる
- 申告書で誤った税率を使わないよう、税率区分の確認が必須
2賃上げ促進税制の“繰越控除”は2年目へ【令和6・7年度改正】
令和8年3月期は、前期からスタートした 5年間の繰越控除制度の2年目 にあたります。
- 前期に控除しきれなかった金額があれば、今期で控除可能
- 今期が赤字でも、賃上げ要件を満たせば繰越が可能
注意点は、適用漏れ。
法人税申告書の別表に正しく記載しないと、控除が受けられません。
3新リース会計基準への備え【令和7年度改正】
新リース会計基準(フリーレントを含む賃貸借の扱いなど)の適用は 令和9年4月から。
まだ先の話に見えますが、実際には 影響範囲の整理やシステム対応に時間がかかる ため、早めの準備が必要です。
今回の改正では、フリーレントを含む賃貸借取引の処理が 法人税法基本通達に明文化 されました。
決算実務に関連するケースもあるため、今期から確認が求められます。
4接待飲食費の“1万円基準”が通年適用【令和6年度改正】
令和8年3月期からは、交際費とならない飲食費の基準額が 1人5千円 → 1万円に引き上げ られた改正が通年で適用されます。
- 1万円以下であれば「会議費」等として 全額損金算入 が可能
- ただし「人数・参加者の記録」が必須
実務では、領収書だけで判断してしまいがちなため、決算時に証憑の確認が欠かせません。
5インボイスの特例は今年が“分岐点”【令和6年度改正】
今期(令和8年3月期)も次の特例が継続します。
- 2割特例(売上税額の2割を納付する簡略計算)
- 免税事業者からの仕入 80%控除
ただし、この2つの特例は 令和8年9月で終了。
今回の決算データをもとに、
- 翌期以降の「3割特例」に切り替えるべきか
- 簡易課税の方が有利か
といったシミュレーションが必要になります。
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