2026.06.01

会計・税務

中低所得者支援と就労促進の両立! 給付付き税額控除の概要と課題をわかりやすく解説

給付付き税額控除

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「最近ニュースで見かける『給付付き税額控除』って何?」

「減税とどう違うの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。 

給付付き税額控除は、働く中低所得者の負担軽減と就労促進を目的として、以前から検討されてきた制度です。

ただし、制度設計にはなお多くの課題があり、2026年5月時点では詳細は確定していません。 

 

本記事では、 
①制度の概要と②実現に向けた課題の2つの視点から、わかりやすく解説します。 

1給付付き税額控除の制度の概要

減税だけじゃない!現金給付も組み合わせた仕組み

給付付き税額控除とは、所得に応じて税負担を軽くするだけでなく、必要に応じて現金給付も行う制度です。 

通常の税額控除は、所得税から差し引く仕組みのため、税額がゼロとなった場合、それ以上控除することはできません。

つまり納税額が少ない人や非課税の人はあまり恩恵を受けられず、高所得者ほど減税メリットが大きくなる傾向があります。 

 

一方、給付付き税額控除では、所得税から控除しきれない分は現金として給付されるため、低所得者にも支援が行き届きます。 
つまり、高所得者層は「減税」、低所得者層は「現金給付」として幅広い層への支援が可能な仕組みです。 

※なお、2026年5月20日の超党派の社会保障国民会議にて、当面の間は税額控除ではなく現金給付のみ行うという案も出ています。 

支援額はどうなる?「年収の壁」を作らない設計へ 

支援額は、所得に応じて段階的に変わる仕組みが検討されています。 

具体的には、所得が低いほど手厚く、一定以上になると徐々に減る設計とし、「年収の壁」を生まないことが重視されています。 

また、報道では「1人あたり4万円」を目安とする案も示されています。 

今後は、国際比較や財源の確保状況を踏まえて、最終的な水準が決まる見通しです。 

2026年5月27日の社会保障国民会議にて、支援額の基準となる所得には当面、金融所得や資産を含めない案が出ています。 

誰が対象?働く人を中心にした支援 

主な対象は、中低所得の勤労世代です。

具体的には、「一定の勤労収入があり、社会保険料を負担している人」を中心に検討が進められています。 

参考として、社会保障国民会議では、給与収入換算で約106万円超を目安とする案が示されています。

また就労意欲の向上の観点から、単身者や自営業者、高齢者なども対象に含める方向です。

さらに、子育て世帯への配慮として、子どもの人数に応じた加算も検討されています。 

2実現に向けた課題 

上記の通り、給付付き税額控除は期待の大きい制度ですが、実現にはいくつかの課題があります。 

「個人単位」の支援による公平性の問題 

世帯単位ではなく個人単位として制度設計が進められています。 

個人の働き方に応じた支援がされる一方で、高所得者の配偶者を持つ専業主婦・専業主夫も給付対象になる可能性があり、公平性への懸念が指摘されています。 

制度運用の難しさ 

給付を行うには、個人の所得を正確に把握する必要がありますが、国は個人の詳しい所得情報を十分に持っておらず、リアルタイムで把握している情報には限界がある状況です。 

そのため、制度を円滑に運用するための仕組みづくりが不可欠です。 

※実際にフランスでは、低所得の勤労者を支援する類似制度として、かつて「勤労奨励手当」が導入されていました。

しかし、制度の複雑さや低所得者層への支援の限界といった課題から、2016年に現金給付へ統合・再編された経緯があります。 

財源をどう確保するか 

給付付き税額控除は、単発ではなく恒久的な制度として検討されています。 

当然ながら、多額の財源が必要となり、試算では年間数兆円規模とも言われています。 
そのため、他の減税の見直しや補助金の整理などが検討されていますが、将来世代への負担をどうするかという点も含め、慎重な検討が求められています。 

 

3まとめ

給付付き税額控除は、中低所得者支援と就労促進を両立する新しい仕組みとして期待されています。 

一方で、対象者の線引き、制度運用、財源確保など多くの課題が残されています。 

今後の制度設計の動向は家計や働き方に大きな影響を与える可能性があるため、引き続き注目していく必要があります。 

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