2026.08.31
会計・税務
e-Tax推奨!令和9年度から変わる青色申告特別控除のルール

皆さま、こんにちは。
早いもので9月を迎え、年末も近づいてきました。
来年3月の所得税確定申告に向けて、準備を進められている方も多いのではないでしょうか。
今回は、令和8年度税制改正により見直された青色申告特別控除制度について解説します。
本改正では、控除額や適用要件が大きく見直されており、今後の申告実務に大きく影響する内容となっています。
1青色申告特別控除ってなに?
青色申告特別控除を説明するためには、青色申告制度について触れる必要があります。
青色申告制度とは日々の取引を帳簿に記録し、関連書類を適切に保存して正しく申告を行うことで、税務上のさまざまな特典を受けられる制度をいいます。
青色申告特別控除はその特典のうちの一つです。
事業所得や不動産所得などから一定額を控除することで課税対象となる所得を減らし、税負担の軽減につながります。
例えば、不動産賃貸業を営んでいる場合は不動産収入から必要経費を差し引いて不動産所得を計算し、その所得に基づき所得税・住民税を計算します。
青色申告特別控除を適用すれば、必要経費を差し引いた後の所得からさらに一定額を控除することができるため、課税所得が減少し税額が抑えられます。
2誰でも適用できるの?
青色申告特別控除は、すべての方が利用できる制度ではありません。
適用を受けるためには、あらかじめ税務署へ青色申告承認申請書を提出するとともに、法令で定められた要件を満たしたうえで申告を行う必要があります。
また、満たす要件に応じて控除額が異なります。
下表のとおり、現行制度では控除額が10万円・55万円・65万円の3区分に分かれており、
65万円控除を受けるためには①から④までのすべての要件を満たす必要があります。
例えば、申告書の提出を失念して申告期限後に提出をした場合、要件①,②,④を満たしても③を満たさず、65万円の控除は受けられず10万円の控除となります。

3税制改正で何が変わるの?
ここまでは、現行制度における青色申告特別控除の概要を見てきました。
税制改正では、下表のとおり控除額および適用要件の見直しが行われています。
なお、改正後のルールは令和9年分以後の所得税について適用されます。

まず、控除額については、従来の「10万円・55万円・65万円」から、「10万円・65万円・75万円」へと変更されました。
また、適用要件についても見直しがされました。
改正前は「e-Taxで申告」または「優良な電子帳簿保存」のいずれかを満たすことが65万円控除の対象となっていました。
これに対し、改正後はe-Taxによる申告が独立した要件となり(要件④)、優良電子帳簿保存については新たな要件として位置付けられます(要件⑤)。
さらに、請求書等データとの自動連携といったデジタル化を促進する新たな要件も追加されています(要件⑤)。
要件⑤まで満たせば最大75万円の控除が可能ですが、適用を受けるためには申告期限までに、青色申告承認申請書とは別に届出をする必要がございます。
また、10万円の控除を受ける場合、前々年の収入金額が1,000万円を超えるときは、簡易な簿記の方法による記帳は認められず、
複式簿記による記帳が必要となります。
4改正から読み取れるメッセージ
今回の改正で特に注目すべきは、e-Taxによる電子申告の重要性が一段と高まった点です。
改正前はe-Taxによる申告を行わなくても、一定の要件を満たせば55万円の控除が可能でした。
改正後はe-Taxで申告を行わない場合は、控除額が10万円へ大幅に減額されます。
これは、税務行政のデジタル化を推進する国の方針を反映したものと考えられます。
今後は単に帳簿を作成するだけでなく、電子申告や電子帳簿保存への対応が、税務上のメリットを受けるための重要なポイントになるでしょう。
青色申告特別控除の適用を受けている方や、これから青色申告を検討している方は、
制度改正の内容を早めに確認し、e-Taxの利用環境や帳簿管理体制の整備を進めておくことをお勧めします。
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