2026.05.12
相続
2028年改正速報!非上場株式評価の改正が与える影響とは

国税庁は2026年4月16日に非上場株式の相続税評価の見直しに向けた有識者会議を開始したと公表しました。
非上場株式の評価に関して、会社の実態や資産内容が似ていても、会社規模や株主区分によって評価方式が変わるため、
相続税評価額に大きな差が出ることが問題視されていました。
特に会社規模が大きいほど相対的に低く評価されやすいこと、さらに配当還元方式の前提が現在の金利環境とずれている可能性があることなどが挙げられ、
改正の内容次第では、今後の事業承継や自社株対策の前提が大きく変わることが見込まれます。
そこで今回は、2028年に改正される見込みの非上場株式の評価方法の変更について幅広く解説いたします。
2028年改正を先読み!非上場株式評価の見直しを踏まえた事業承継対策
今回の内容を詳細に解説するセミナーを開催いたします。
制度が固まる前に、今から見直すべき資本政策、株式移転、贈与・相続のタイミングを整理するために、
この機会に是非ご参加ください。
1そもそも何が問題なのか?
従来の株価評価で問題になっていたのは、非上場株式の相続税や贈与税の評価が、会社の規模や株主の立場によって複数の方式に分かれており、
その結果、同じ会社の株式でも採用される評価方式によって評価額に大きな差が生じていた点です。
現行制度では、株式評価の方法は、以下で解説する類似業種比準方式、純資産価額方式をベースにして、さらに少数株主は配当還元方式で評価されています。
会計検査院が、令和2年・3年分申告を対象にした検査で、会社規模が大きいほど相対的に株価が低く評価されやすいことと、
少数株主の評価に使う配当還元方式の還元率(10%)は、昭和39年から約60年間見直されておらず、
近年の金利水準と比べて相対的に高い可能性も指摘されています。
こうした事情から、評価の公平性や時価のベースとなる基準値の整合性に問題があると指摘されました。
2従来の計算方法は?
非上場会社の評価方法は、その株主や同族関係者の経営的支配力によって、原則的評価方式と配当還元方式の2つの方法があります。
非上場会社といっても、その会社の資産や従業員数などには、かなり差があって、
中には、上場してもおかしくない大規模な会社もあります。
そこで、まず原則的評価方式による評価を受ける株式は、評価会社を大会社、中会社、小会社に分類し、次のように評価方式を区分します。
|
経営支配力のある株主 |
少数の株主 |
|
原則的評価方式 ・大会社・・・類似業種比準価額方式 ・中会社・・・併用方式 ・小会社・・・純資産価額方式 |
配当還元方式 (配当還元価額または原則的評価方式による価額) |
原則的評価方式
類似業種比準価額方式は、大会社の原則的評価方式による評価額の計算方法です。
大会社とは、非上場会社の中でも大きな規模をもつ会社のことで、
その株式の評価は、上場会社の中から類似する会社の平均株価を参考に評価するものとされました。
このとき使用するのが、類似する会社から計算した「類似業種比準価額」です。
併用方式とは、大会社の「類似業種比準価額方式」と小会社の「純資産価額方式」を併用する方式です。
純資産価額方式
純資産価額方式は、純資産の額を発行済株式数で割って1株当たりの株価を計算する方法です。
≪計算式≫
(総資産価額-負債の額-法人税等)/発行済株式数
注意点は、計算に使用する総資産や負債の額が、帳簿価額ではなく「相続税評価額」であることです。
また、相続税評価額と帳簿価額の差額に生じる法人税等の額を、純資産の額から控除することも必要になります。
配当還元方式
配当還元方式とは、同族株主でない少数の株主が取得した株式の評価方法です。
原則的評価方式に対し、特例的評価方式ともいいます。
配当還元方式では、年間の配当金等から計算した「配当還元価額」で株式を評価します。
配当還元方式そのものは、1年間の配当金額を10%で還元して株式価額を評価する方法とも言えます。
この10%の還元率が、ずいぶん昔に設定されたものであるため、現状の金利水準に置き換えることが検討されています。
≪配当還元価額の計算式≫
配当還元価額 =
(その株式に係る年配当金額 ※÷ 10%) × (その株式の1株当たりの資本金等の額 ÷ 50円)
※年配当金額が無配の場合には、「2円50銭」として計算します。
3改正が与える影響は?
非上場株式は、その評価額がそのまま相続税や贈与税、株式の譲渡対価に反映されるので、
改正によって評価額が上がれば、それだけ多くの納税が必要になります。
もし株価が上昇する見直しが行われた場合の影響についてご紹介します。
事業承継が難しくなる
株価対策は事業承継の問題を検討する上で必須の項目です。
株価が高いと贈与や譲渡で後継者に自社株式を譲り渡す時、贈与税が高額になる、買取価格が高額になるため、
会社を承継する際の必要コストが増加することになります。
相続対策の見直しが必要になる
相続対策はお子様を含めた次世代の方への資産の承継方法を検討する必要があり、その対策は長期間にわたって行うことが前提になります。
株の承継も個人の相続対策では重要なポイントですが、株価の上昇による効果を織り込むと、より長期的なプランニングが必要になる可能性があります。
資本政策の再考が必要になる
グループ企業間同士の合併や株式交換、会社分割などを検討する場合に、非上場会社の株価をベースに企業再編は検討されます。
親会社から子会社・孫会社へ資産を移転していくことで親会社株式の評価が下がっていることを、国税局も問題しているため、
グループ内の組織再編や、持株会社体制への移行によって、株価が減少されるのであれば、
再編そのものの経済合理性・事業合理性に対する説明を、これまで以上に求められる可能性があります。
2028年改正を先読み!非上場株式評価の見直しを踏まえた事業承継対策
【セミナー概要】
日時:2026年5月28日(木)
参加方法:オンライン(ZOOMウェビナー)
参加料:無料
皆さまのご参加お待ちしております。
Contact Us
お問い合わせ下さい
日本クレアス税理士法人では、質の高いサービスをご提供する事で、相続問題にお悩みの方をワンストップでサポートいたします。
是非お気軽にお問合せください。