正月にNHK・BS1で「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」という番組を見ました。
「資本主義とは何か」「成長とは何か」を考えさせられる内容でした。
☑ 世界は低成長に入り、金利はゼロに近い。「資本主義の終焉」を指摘する学者も出てきている。
☑ 資本主義が「成長」を前提とすることに意味があるのだろうか?
☑ 先進国の多くは金融危機後に紙幣を増刷し、財政出動で成長を目論むも、借金だけが増えることに。
経営者のジレンマ「売上か、利益か?」
こうした疑問を起業に置き換えて考えると、多くの経営者が抱えるジレンマ「売上か、利益か?」に当たります。
過去の日経ビジネスに「増収重視型企業が増益重視型企業よりも長期では営業利益が多い」という記事がありました。
☑ 米国の一流企業の多くは増収重視
☑ 成長なくして利益なし
☑ 利益より売上、さらば縮小均衡路線
利益偏重が悪いことではありませんが、「今年は利益を重視する」という方針を経営者が上げたとすれば、言い換えれば、それはその会社が「利益を重視するしかない」という状況に追い込まれたとも読み取れます。
記事の内容を、「利益重視(或いは利益偏重経営)」の裏と表を上げる形で要約します。
建前 | 利益確保こそ企業存続の条件 |
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真実 | 縮小に均衡はなく、要するに衰退が始まってしまう |
建前 | 利益を確保できるニッチ市場を狙え |
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真実 | ニッチ市場は差がつきやすく優勝劣敗の激しいマーケット |
建前 | 高付加価値こそが利益の源泉 |
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真実 | 高付加価値だけでは絶対額が稼げない。ある程度のボリュームが必要 |
建前 | 価格競争してはならない |
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真実 | 成長市場では利益よりもシェア優先 |
状況にもよりますが、結局「成長を求めるかどうか?」に行きつくのだろうと思っています。
企業が成長を求める理由
私が考える、企業が成長を求める理由は以下のようになります。
- ●シェアが増え、競争力が増す、ブランド力があがる
- ●収益が増え、給料が増える
- ●昇進の機会が増え、ポストが増える
- ●若手が採用できて、マネジメント層の老化を補える(世代交代)
「低成長経済だから、成長は難しい」と自社の状況をマクロ経済のせいにすることなく、企業は成長のために「売上」を追い求めるべきでしょう。