2026.03.24
相続
基本のキ!相続における現預金の取り扱い
目次

亡くなった方の身辺にある現預金(現金や銀行口座にある預金)の扱いは、課税上「名義」ではなく「実質」で判断されます。
本人やその配偶者のタンス預金やへそくり、さらに夫婦が共同で蓄えていた預金、親族名義で保管されている預貯金については、
相続が発生した時点の状況で申告義務のある金額を判断しなければなりません。
亡くなった人の身辺で保管されている金銭は、課税されるかどうかの判断が難しく、税務調査においても申告漏れが指摘されやすい財産だと言えます。
申告漏れの指摘や不要な納税負担を防ぐため、自力で対応できそうな状況でもなるべく相続に強い税理士に相談することをおすすめします。
そこで今回は、相続における現預金の課税上の取り扱いについて詳しく解説いたします。
1相続における現金の取り扱いとは?
まず大前提として、亡くなった人(被相続人)のものと認められるお金の一切は「相続財産」として扱い、
かつ死亡日時点の残額で相続税の申告をすることが原則です。
「被相続人の財産に属した一切の権利義務」が亡くなった時点から相続人のものになると民法の規定で決められています。
2相続税の申告義務がある「現金・預貯金」の範囲
被相続人の財布や銀行口座にあるお金は、もちろん相続財産に該当します。
亡くなった人のものと認められる一切のお金が対象になるので、自宅で見つかった現金(へそくりやタンス預金)にも申告義務が及びます。
保険会社や生前の勤め先から親族が受け取ったお金でも、元々は亡くなった人の資産であると解釈できる以上、相続税の申告が必要です。
3相続税申告が必要になる現預金の代表的な例
・亡くなった人が所持していた現金
・亡くなった人名義の口座にある預金
・遺品にあった「へそくり」や「タンス預金」
・死亡保険金(※亡くなった人が自分で掛金を負担していたもの)
・死亡退職金(※亡くなった人の勤め先から支払われるもの)
上記はいずれも、見つかった状況や契約書から誰の所有かはっきりと分かるものです。
しかし、税務署に申告義務が指摘されるのは、こうした資産ばかりではありません。
4見落とされがちな「相続税の課税対象になる現預金」
相続税の実務上、相続財産として扱うどうかは“名義”ではなく“実質”で判断します。
つまり、被相続人の名義ではない配偶者が貯めたへそくりや、親族に口座名義を借りて蓄えていた預金(=名義預金)も、
他の誰でもない「亡くなった人の収入」を元に蓄えられている、亡くなった人が自分の意思で自由に管理処分できる状態だったという理由から相続税の申告義務が及ぶと解釈されるのです。
申告内容が正しいか調べるため個別に行われる「税務調査」の実施報告によると、申告漏れが指摘されるケースの3割程度が「預貯金」に関するものです。
申告漏れのいきさつまで個別に紹介されているわけではありませんが、自宅の現金・配偶者のへそくり・名義預金等が申告時に見落とされていたケースが少なからず含まれていると考えられます。
このような「亡くなった人名義ではないが実質的には相続財産」として扱う現預金は、個別に入出金明細等を調べながら判断しなければなりません。
この作業は実務経験者でないと難しく、税申告の際は専門家にサポートしてもらうのが無難です。
5現預金は「死亡日の残高+預金利息」で扱う
現金を正味の遺産額に含める時は、「死亡日時点で残されていた額」で扱います。
銀行口座にあるお金に関しては、さらに「相続開始後に発生した預金利息」も課税対象として加え入れなければなりません。
現金の状況に関しては、死亡後から常に金額を把握しておきましょう。
預金に関しては、銀行が発行する「残高証明書」で正味の遺産額に含めるべき金額を確かめられます。
6相続開始日(死亡日)以降に使ってしまっていたら?
水道光熱費や医療費の精算、葬儀費用などの死亡に伴う出費は、亡くなった本人の所持金から優先的にまかなわれることが多いでしょう。
このように相続開始日以降に目減りしてしまった現金・預金に関しても、最初に原則として紹介した通り「死亡日時点の金額」で正味の遺産額に含めなければなりません。
実務での扱い方を解説すると、まず申告準備として「〇月〇日に医療費として〇円」とのように支出を記録しておきます。
申告手続きを始める際に現時点で残っている金額と支出記録を合算したものが「死亡日時点の金額」です。
申告時点の残金で申告をすると現預金の計上漏れと指摘されるため、適正な現預金の金額を把握することが重要です。
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