集中力が落ちるNG行動-技術としての「集中力」(2)(Vol.332)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

前回のメルマガでは、集中力を引き出すワークについてお伝えいたしました。

(1)場   所:「仕事をする場所」と「食事や休息をする場所」を分ける
(2)時   間: 時間管理のテクニック「ポモドーロ・テクニック」を実践する
(3)食   事: 食後の血糖値が急激に上がり過ぎない食べ方や食材を選択する
(4)姿勢と呼吸: 正しい姿勢、深い呼吸を心がける
(5)睡   眠: 睡眠不足を解消できるように生活習慣を見直す
(6)瞑   想: 思考がクリアになり明晰性が保たれる瞑想を5分でも取り入れる

上記の脳の働きを利用した「6つの習慣」を実践することで、集中状態をつくりだすことができるようになるでしょう。

本日のメルマガでは、集中力が落ちるNG行動についてお伝えします。

■集中力が落ちるNG行動

集中力は「やる気」や「モチベーション」の問題ではなく、環境や習慣によって誰でも取得することができるものだとお伝えしてきました。心がけ次第で深い集中状態をつくりだすことができ、仕事の効率も高まります。

ここで注意したいのが、普段何気なく行っている行動のなかに、集中力の低下を招く行動があることです。実際に集中力低下の原因となるNG行動をご紹介します。

朝一番でメールをチェックする

午前中は、睡眠をとったばかりで頭の中が整理された状態にあるため、知的作業に最も向いている時間帯です。その貴重な時間をメールチェックにあててしまうのは、脳のエネルギーの無駄使いといえるでしょう。メールは出社後すぐに対応しないといけないと思われがちですが、チェックの前に一つでも知的作業を行った方が仕事効率は良いようです。

食事中や休憩時間にスマホを操作する

食事中や休憩時間に、気分転換のためにスマホを利用している人を見かけます。多くの情報量を含むスマホを見ることで、脳は働き続けることになります。その結果、脳の働き自体が鈍化してしまう恐れがあります。

「食事や休憩時間」=「情報の消化時間」と考え、脳にできるだけ余分な情報を入れない方がよいでしょう。リフレッシュできれば、以前とは違った視点で物事を考えられるようになるかも知れません。

仕事が終わらないので徹夜で作業する

仕事が終わらない場合、皆さんはどのように対応しますか?一番手っ取り早く思いつくのが終わるまでやる、つまり「徹夜」ではないでしょうか。徹夜すると、睡眠不足による疲労だけでなく、脳のパフォーマンスを落とします。徹夜をするよりも効率的な方法があればと思いませんか?

そんな時は、「多相性睡眠(3時間仕事をして30分間睡眠をとる)」が有効です。上記のサイクルを繰り返せば、脳のパフォーマンスを低下させずに仕事ができるそうです。

ただし、睡眠には、脳の疲れを回復させるだけではなく、記憶を整理整頓して脳の空きスペースを増やす効果もあります。睡眠不足は身体を疲労させてしまうので、必ず確保するようにしたいものです。(『週刊ダイヤモンド』(2017年1月14日号)/ 仕事・勉強に効く「集中力」を参考)

集中力を取り戻すことは可能

米マイクロソフトの研究チームが2015年5月に発表したデータによると、「人間が集中できるのは、わずか8秒」だそうです。

2000年には12秒ありましたが、13年には8秒まで短縮してしまったそうです。ちなみに金魚の集中力は9秒と言われていますので、現代人の集中力は金魚に劣ることになるらしいです。

スマホが普及し、SNSなど新しいコミュニケーション手段が登場した情報化社会においては、残念ながら集中力の低下は、もはや止められないものと推察されます。

ただ、脳には「可塑性(かそせい)」があるため、良い習慣を覚えさせることで、脳を鍛えることができます。つまり、集中力を取り戻すことは十分に可能なのです。

今年の夏は、全国的に厳しい暑さとなる見込みであり、体力の消耗も激しくなりそうです。短時間で効率良く仕事に取り組み、夏休みの休暇も楽しみたいですね。

 

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