経営メモ
SDGsと企業のかかわり・その4(Vol.92)


今回は実践編です。まずは、実践の流れをざっと見ていきましょう。

1.前提 全社的コンセンサスの形成と課題把握

2.検討 実践テーマの決定

3.推進 決定したテーマに沿ったToDoの実践

4.記録 自社評価及び自社アピール

 

次に順を追ってみていきましょう。今回は、実行前の準備段階として1と2をご紹介します。

1.前提 全社的コンセンサスの形成と課題把握

企業がSDGsを実践するということは、
「ESG問題(=Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)問題)」の解決という、
一企業からすればカバーする範囲が大きく抽象的な取り組みを、ビジネスとして行っていくということです。
大きい課題には、組織が一丸となって取り組んでいく必要があります。
そのためには、全社的なSDGsへの理解と取組みに対する全社的合意形成が不可欠です。
「なぜビジネスにSDGsが必要なのか?」を研修等で社内に浸透させ、
一丸となって取り組む下地を作りましょう。またあわせて、取り組むべき課題をピックアップしておきます。
SDGsの視点から、社内と社外の両者において今現在どういう課題があるか、洗い出しておきましょう。

 

2.検討 実践テーマの決定

課題のピックアップをしたら、実際に取り組んでいく分野、実践テーマを決定します。
社内における課題については、ニーズも必要性もいたって明確なため、
課題さえ洗い出すことができれば取り扱うべきテーマはほぼ自動的に決まってきます。
社外の課題については、自社による解決の必要性が社内のもののように明確ではないですし、
経営資源は有限であるため、主体的に取捨選択する必要があります。
以下3点の視点から取捨選択し、テーマを決めましょう。

 ・今ある事業でできること
 ・経営資源を生かしながら新たなビジネステーマを追求し新規事業を開拓すること、
 ・現状行っている事業に違ったサービスや視点を加えることで既存事業を発展させること、

また、社員に主体性をもって取り組んでもらうため、以下の視点も取り入れてテーマ決めをしておくことをおすすめします。

 ・企業と社会の共通価値だけではなく、企業と社員との共通価値を生むSDGsの実践、という視点を持つこと。
 ・とっかかりとなる小さなプロジェクトから始めて、まずは取り組んでもらい、社員の成功体験を創ること。

 

いかがでしたか?
テーマの他にも、目的を明確にする、KPIを設定する、妨げとなりそうな要因(資金・物資不足等)を解消する、
などについても対応しておけると、実践の基盤が強固になり、より良いと思います。

> 日本クレアス税理士法人 サイトTOPに戻る <