2019年はどんな年になるのでしょうか?
ご参考になればと思い、私自身の2019年の経営のキーワード候補をメモしていきます。
1.残り物には福がある
「選択と集中」は大事なキーワードですが、ライバルが自然に減っていくような縮小・再編型の業界は「やめなければ勝ち」のような気もします。むしろライバルが増えていく最先端の業界のほうが優秀な人材が集まりやすいかもしれませんが、競争が激しいため厳しいかもしれません。
2.準大手とか中堅がなくなるか?
再編や統合が進んでいくと「大手しか生き残れない」、そんな話をよく聞きますが、中小だって生き残れます。「特徴」、「ストーリー」、「強み」、「独特のポジショニング」。このあたりがキーワードだと思います。むしろ中途半端が良くないでしょう。その意味では、中堅とか準大手のほうが危ないかもしれません。
3.人手不足の時代、スピードがカギ
この人手不足の時代、やはり、人材を即戦力化するだけのスピード感を持つことが大事だと思っています。教育研修のスピード、マニュアル作成などは本当に重要でしょう。
以前にテレビで見たのですが、すし職人養成の学校があるそうです。昔は10年くらいの修業期間を経て一人前になるのが普通でしたが、この学校では1年以内に一人前するそうです。一見すると、教育するのが難しいと思われる業界も、やり方次第なのかもしれません。
4.顧客さえいれば(ピボット経営)
オリックスが「隣地を攻めて大きくなった」とビジネス誌で紹介されていました。
同社は既存事業の隣接分野に次々と進出し、独自のビジネスモデルで変化を続けてきました。新しいビジネスに挑戦することで業績を伸ばし、2018年3月期は9期連続での増益(過去最高益)を達成しています。「隣の芝生は青かった」ということなのでしょうか。
オリックスの経営は、名付けて「ピボット経営」と言えるのではないでしょうか。
バスケットのプレイ技術でいう「ピボット」です。片足を軸足に片足を回転させて周辺分野を攻めます。両足ではなく片足(これが隣接分野という意味)、というのがポイントだと思います。それを実現するスタートは、「お客様のニーズ」です。お客様との対話が、大事になってくるのでしょう。
5.会社の老化
人手不足もあり、社員の年齢層は特に中小企業では高くなっていきます。どうしてもベテランに頼ると会社が保守的になりますね。配置転換やチャレンジする行動を心がけないと会社も年を取ってしまいます。10年ぶりに訪問すると、雰囲気が変わってしまい活気がなかったという会社はよくあります。
6.ライバル会社よりも怖い?「無能なリーダー」
「戦略のミスは戦術では取り返せない」といいますが、やはり大きな方向性を間違えると致命的です。「有能なリーダーに恵まれるかどうか?」これも組織の成長を決定づける要因になります。
「内部に敵がいる」と本当に競争に勝てる気がしませんね。「リーダーに恵まれるかどうか?」が、チームや組織としての成長のテーマになるでしょう。今も昔も変わっていません。
7.売り時も大切
オーナー企業のいわゆる「エグジット」問題。
人生100年時代ですから、「第二の人生」から逃げるために会社にしがみつく、というのはもう難しい時代です。若いうちから「第二の人生」に打って出るという方も増えてきています。
やはり、そんなときに頼りになるのは「お金」。
「今売ったらいくらか?」つまり、売却の適切な価値を中小企業の社長は常に意識して経営する時代であるとも言えます。
8.RPA元年
RPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)は、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する概念です。このRPAは、あらゆる業界に必ずやってくると思います。
今後、RPAが普及・浸透することを想定しますと、人手不足は続くものの、それを解消する手段というものは、次々に出てくるのだと思います。「社長」→「幹部」→「RPAツール」→「新卒(10年先の幹部候補)」というそれまでとは違った組織の形が、理想とされる時代が来るかもしれませんね。