2019.09.30

経営メモ「私財投じた音楽普及に落とし穴」(vol.72)


経営メモ

「私財投じた音楽普及に落とし穴」

―ココイチ創業者の資産管理会社が20億円申告漏れ

 

東京本社の引越しから間もなく1年を迎える11月19日(火)に、M&Aサミットを開催いたします。
前回は2018年2月の開催でしたから、1年9か月ぶりにたくさんの方々にM&Aの最新動向をお届けできるので、今からわくわくしているところです。

このM&Aサミットの基調講演のスピーカーとして2017年にお招きした、カレーハウスCoCo壱番館の創業者・宗次徳二さんについて驚くべきニュースが報じられたことは、御記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、このニュースを振り返ってみたいと思います。

 

バイオリンを減価償却

宗次さんは、ボランティアで音楽家育成に努めており、資産管理会社でイタリア製のバイオリン「ストラディバリウス」30丁を保有。国内外の若手の音楽家に無償貸与されていました。

ところが、このバイオリンを減価償却し経費に算入したことにより、名古屋国税局から約20億円の申告漏れをしてきされることとなってしまいました。

法令を見てみると、平成27年1月1日から取得する美術品等について減価償却できる範囲が、取得価額20万円未満から取得価額100万円未満に変更になっています(つまり、100万円以上の美術品等は原則として減価償却できない)

また、歴史的に価値のある資産も時の経過によりその価値が減少しない資産は100万円未満であっても減価償却資産に該当しない、となりました(今回、問題になったストラディバリスウが1丁いくらかは判明していませんが追徴税額が5億円ということですので相当高価なものだったと思われます)

「人のためにお金をできるだけ使う」という信念

日経ビジネス8月19日号「敗軍の将、兵を語る」によると「税理士任せだった、その税理士も無知だった、自分の脇が甘かった」と反省しきりでした。

尊敬を集める経営者でもこのように不用意な申告をするということに驚きましたし、また我々税理士や公認会計士は、もっと注意深く基本的なことを確認しながら仕事を進めなければいけないはずだと強く思いました。

また、2年前のM&Aサミットでお会いした時に(その時点では遅かったのかもしれませんが)、「宗次さんの確定申告、ぜひやらせてください」といっておけば…という後悔も少しあります。

今回の反省を機に「人のためにお金をできるだけ使う」という信念を新たにしたという宗次さん。

著書『夢を持つな!目標を持て(独断と偏見語録55)』は、いつ読み返しても素晴らしい言葉ばかりです。これから経営される方も、今経営されている方でも学ぶことが多い内容ばかりと言えるでしょう。

語録の一部を紹介しますと…

  語録2  経営は苦労の総合商社と心得よ
  語録11 経営者にとってのお客様とはかかわる人すべてを指す
  語録12 経営者は自称三流経営者が良い
  語録15 経営は「継栄」、継続して栄えなければ意味がない
  語録18 会社は社長の器以上に大きくなるもの
  語録20 クレームは宝の山、発生したらしめたと思え

今回の指摘は、大きな影を落とすものではありますが、語録15にもある通り、一時の成功よりも、継続することのほうが大事。どんなに失敗しても、めけずに信念を貫いていく姿を期待したいですね。

 
 
 

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