経済産業省肝入りの「プレミアム・フライデー」が、2月24日(金)から実施されました。
皆様は15時に退社されたでしょうか?
アベノミクスの成長戦略で一つの柱を担う「女性の活躍推進」。女性の就業率の上昇や、リーダーへの登用を促す一方で、「電通事件」を契機とした、長時間労働の是正の動きが活発になっています。政府の働き方改革実現会議によると、残業時間の上限を「年間720時間 月平均60時間」をベースに議論が進められています。
働き方改革の機運が高まっているものの、思うように残業が減らないというのが企業の実態でしょう。
バブル崩壊後も、長時間労働は減っていないようです。
「ノー残業デー」、「フレックス制」、「裁量労働制」など、様々な対策が実施されてきましたが、本質的な解決策とはなっていません。
残業削減のメカニズム
経営者の殆どは、残業削減のメカニズムを下記のように捉えているのではないでしょうか。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上
本質としては日本人は家に帰りたい気持ちが低いことが、要因の一つと考えられます。そのため、本質をtらえた残業削減の公式は下記のようになるのでしょう。
残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上×社員の家に帰りたい気持ち
家に帰りたくない理由は、以下のように推測できます。
・残業すれば出世できると思われているから
・家に帰ってもろくなことがないから
多くの日本人男性にとって残業は免罪符であり、家事を免れる環境をつくりだしているのでしょう。
活気づく残業難民ビジネス
こうした中、残業難民ビジネスが活気づいています。ファストフードなど外食チェーンの店舗内で、夕方から酒とつまみを販売する「ちょい飲み」のサービスが広がっています。吉野家、ケンタッキー・フライド・チキン、スターバックスジャパンなどで実施されており、拡大傾向にあるようです。
残業削減のプロ、その手法とは?
下着メーカーのトリンプ・インターナショナルでは、残業削減のプロ・前 代表取締役社長の吉越浩一郎氏の手法が効果をあげています。
残業を申告制にし、その申告の手続を「家に帰る苦痛」よりも大きな負担にする
残業を申告制にすることは多くの企業でも実施されていると思いますが、トリンプで特徴的なのは、同じ理由で残業が起きないように再発防止策を提出する必要があるのです。しかも、再考するよう社長に突き返されるそうです。次第に従業員が面倒に感じ、結果的に残業削減に本気で取組むようになったそうです。
どうやら残業削減には、根気が試されるようですね。
(参照:日経ビジネス2016年5月16日号)