会社売却というのは、大変なことだと思います。オーナー社長は、創業者利益の確保も念頭にありますが、会社の将来性や継続性等、社員のためを思ってM&Aを決断します。
タイミングが重要
M&Aはタイミングが重要です。売り上げがピークに達する少し前、または、創業者が「惜しいなぁ」と感じるくらいの時期のご相談ですと、上手く合意に至るケースが多いようです。
優先順位をつける
中小企業は、あれもこれも要求しがちです。社名を優先するのか、雇用を優先するのか等、優先順位を明確にして交渉に臨むことをお勧めします。
隠し事をしてはいけない
売り手が隠し事をしていて、アドバイザー(我々)も知らなかった事実が、基本合意の前後で発生することがあります。隠し事をしていると、「まだ他にも隠している情報があるのでは?」と買い手側は疑心暗鬼になります。信頼関係が崩れ「交渉を白紙に戻す」と要求される恐れもあるでしょう。マイナスの情報を早く伝えることが重要です。
情報のコントロールは入念に行う
情報のコントロールとは、水面下でM&Aを検討している事実を、幹部や社員にいつ告知するのか?という問題についてです。理想的には、それぞれのステージで最低限必要な関係者だけに絞り、極力ギリギリまで伝えないことを推奨しています。情報をコントロールすることは、オーナー社長自身を守ることに繋がるのです。
ごくまれに、M&Aがほんの少しの行違いからブレークしてしまいそうになります。
交渉においては、予想外のことにも直面する場合もあり、精神的にタフでなければなりません。「会社の将来のためには会社を売却すべきだ」と、意思を強固にして、一連のプロセスの中で生じる迷い、葛藤、相手との軋轢を乗り越えていただければと思います。