経営メモ「低成長時代は『勝つ仕組み』のない会社が消える!」( Vol.29)


無印良品を展開する良品計画。

赤字から脱却し、V字回復を成し遂げた決め手は、全ての業務について業務の定義と目的を文章化し、ありとあらゆる仕事の進め方を詳細に定めた「2,000ページの店舗マニュアル」と「6,000ページの業務基準書(本部の業務マニュアル)」をベースにした「仕組み作り」にあるようです。

「仕組み作り」により徹底的に見える化を図ったことが業績好調の全ての土台になっているようです。

以下、良品計画のV字回復を推進した松井会長の雑誌でのインタビューを抜粋します。(参考:プレジデント2015.3.16、日経トップリーダー2015.3)

なぜ、個人経験主義ではいけないのか?

個人の経験主義は特に守りの場面で弱い。例えば、ある暖冬の年に衣料品の売上が落ちるとします。経験主義だと経験のある先輩社員が「暖冬対策が十分ではなかった」という以外の結論付けがしにくい。暖冬でも業績好調の医療販売店はあるわけで、暖冬でもモノを売る「仕組み」を持つか持たないかが決め手になります。

マニュアル化を進める際に、反対する社員を同説得したのか

反対派を排除せず、逆にマニュアル作成の委員に任命する。最初は嫌々かもしれませんが、立場が変われば人は自分の得意分野では知恵を出してくれる。そうこうするうちにいつの間にか反対勢力だった人も改革と変化を好むようになる。

マニュアル化すると社員の仕事はルーティン化し、つまらなくなるのではないか?

実際にはむしろ逆です。働くスタッフが「こうしたほうがいい」という創造的なアイデアを出してくれるようになり、更に内容が充実していきます。

スポーツでも何でもまず「型」を習得して初めて「型破り」が可能になります。基本的な仕組の存在こそが、会社の成長につながる創造性を生み出すのです。

マニュアル化のポイントは?

①現場の声で改訂を繰り返す(1か月平均で全体の1%近くが更新される)
②業務の目的を明確にする
③ビジュアルを工夫してわかりやすくする(写真や図)
④職人技を聖域にしない
⑤細部にこだわる

 

無印良品では、このマニュアル化こそが「勝つ仕組み」だったわけです。松井氏によればマニュアルかは「お客様の声からヒット商品をつくる」具体策であり、「人材育成をする人を育成」するための要だそうです。

私が驚いたのは、逆にこれほどの規模の起業であったとしても、赤字になるまでは「マニュアル化」が謳われていなかったことです。つまり、中小企業ではマニュアル化できていなくてもある意味当たり前であり、逆にここを突破すれば同業他社を一歩でも二歩でもリードできる、ということです。

「勝つ仕組み」皆様、欲しいですよね

 

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