経営メモ「消費増税はやはり転換点だった」( Vol.24)


1.消費増税はやはり転換点だった

まもなく消費増税から1年が経過しようとしています。振り返ってみると、やはり昨年の4月の消費増税は、「脱デフレ」という意味のみならず、「貧富の差」の拡大、という意味でも大きな転換点だったように思います。

大企業の業績は絶好調ですが、中小企業はもう一つです。個人に目を向けても資産をたくさん保有する方は株高、円安で恵比須顔のようですが、そうでない方にとってはアベノミクスの恩恵はあまりなく、賃上げ効果をインフレが相殺しているのが実態ですね。そう考えますと、アベノミクスの本質は「貧富の差」の拡大に尽きる、ということでしょうか。

2 .一番の問題は「人口減少」

少し長期に目を向けると、今の日本で一番の問題は「人口減少」ではないかと思います。少子高齢化は加速的に進み、15-64歳の人口は平成27年の7,600万人から平成37年は7,000万人に減少し、20年後の平成47年には6,300万人となるそうです(いずれも推定値、内閣府「高齢社会白書」より)。

3 .続く「人手不足」

一方、アベノミクスの影響で、今や企業は大小問わず「人手不足」のようです。「人余り」つまり、過剰人員を恐れる企業経営者にとってはそれでもまだ「人手不足」の方が「有難いこと」と考えやすいのは、デフレに20年間も慣らされてしまったせいでしょう。

人口減少は人手不足を招く一因

しかし、良く考えてみると人手不足の原因は、需要増加もありますが、供給減少(少子高齢化)の影響も大きいのでは?と感じます。

今は「女性活用」がうたわれ、主婦のパートが盛んに活躍していますが、逆にいえば60歳を超えた方の定年延長は目いっぱいの状況で、若年労働者も引く手あまたの売り手市場といったところですね。つまり、働き手はもう増えない!この先はどうなるか?

4.賃上げできる企業のみが生き残る?

そうするとやはり、生き残ることができるのは賃上げのできる力のある企業に限られ、モノ・サービスはインフレ傾向になります。それと同時に最後に残るのは、世界中から注目されている膨大な国家債務(国債1,300兆円)を返す国民が減少する、という問題ですね。働き手が減る=税金を納める人が減る。そう考えると、もっと増税しないと追いつかなくなるのでは?と考えるのが自然です。

出生率は1.4ですから、少子化に歯止めを打たない限りは将来が明るくなりそうもありません。今の日本は全てが「オリンピック頼み」といった雰囲気がありますが、確実にやってくる「オリンピックの後」の話を始めなければなりませんね。皆さんはどう思われますか?

5・社員の本来持っている能力を発揮させる!

難しい話はさておき、やはり経営者のはしくれとしては賃上げは継続して行いたいものですね。(しかし、筆者もそうですがこの「賃上げ」という言葉がすきではない、という経営者は多いと思います)。

社員の本来持っている能力を発揮させることができれば自然にそうなる、というのが良い会社の給与に対する考え方のベースでありたいと思っています。

 

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