経営メモ  新入社員に贈る言葉(Vol.88)


コロナ禍にありながら、幸いなことに今年も5名の新卒入社を迎えることができました。
私は全社ミーティングやフォローアップ研修など、従業員に対して話をする機会が多いのですが、なかでもこの新入社員に対する祝辞は殊の外緊張します。
社会人になりたての若い人材に対してナカムラは何を語ったか。今回の経営メモでご紹介します。

自分事としてとらえる、真のチームワークを

「自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない」

これはゲーテが引用した言葉とされています。
チームワークはどんな職場でも求められます。
しかし、ややもすると「ほかの人がいるから」と安心してしまう傾向が芽生えてしまいます。
真のチームワークとは「ほかの人がいるから」と安心するのではなく、お互いの役割分担をしつつ、一人ひとりが人事を尽くし、さらに仲間のカバーができること、ではないでしょうか。
社会人になるということは、「責任を取る」ということであり、仕事を自分事としてとらえる、ということにほかなりません。
目の前のお客様は、皆さんの所属する会社を代表して皆さんに取引を求めてきています。
何かを聞かれて「知りません」は論外ですし、しっかりとそのお客様の満足のいく回答をするためには身の回りに起こることを自分事としてとらえることで、仕事を覚えていくのだと思いますし、この考え方をできる方は成長が早い、というのが私のこれまでの経験です。

全ては運命であり、責任であり、選択の結果

今の皆さんには、「先輩の指導を聞いて頑張ろう」という謙虚な姿勢が十分にあると思います。
これからの社会人生活では、どんな時でも、今持っているその謙虚な気持ちを忘れず前向きに仕事し、どんな小さな仕事もひたむきに取り組んでください。自分の身の回りに起こることは全てが運命であり、自分の責任であり、自分の選択の結果なのだと思って環境を受け入れて欲しいと思います。
そうすれば社会人としてしっかり成長することができるでしょうし、叱ったり、注意したり、否定したりする会社の先輩や上司、時にはクライアントの方々、そして目には見えない世間全体というものに感謝できる日が必ず来るはずです。

「実力の世界」では自分を定義付ける物差しが変化

さて、皆さん一人ひとりを「社会的に個別に位置付けるもの」は、これまでは何だったでしょうか?
どこの大学を出たとか、どこの出身だとか、そのように自分を定義してきた物差しは、徐々に変化していきます。
社会に入ったこれからは「実力の世界」に変わっていきます。
仕事や会社という枠の中では、仕事を通してお客様や会社、世の中に貢献するという「他者の役に立つ」ということが唯一と言っても良い評価軸であり、それが社会人である自分を定義付けるものになります。
ですので、いったんこれまでのフレームワークや価値観は捨てて、まっさらな気持ちで社会に会社に飛び込んで大いに張り切って欲しいと思います。
とはいえ、仕事を進める中で苦しい時、悩んだときは、ぜひ、先輩に相談してください。
すぐに回答やヒントをくれる先輩や上司ばかりではないかもしれませんが、皆さんが、前向きに仕事に取り組む姿勢があれば、きっと励ましてくれたり、ヒントをくれたりする人が周りに現れるはずです。

入社、本当におめでとうございます。

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