時短を達成するビジネスメール術(1)(Vol.359)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2017」によると、仕事で使う主要なコミュニケーション手段の第1位は「メール」だそうです。中間管理職の部課長クラスは1日の平均通数が、送信は約12通、受信は約39通でした。役職が高くなるにつれて通数が増える傾向があるそうです。

メールを 1 通作成するのに、6割以上が平均 6 分以内でしたが、一方で、 10 分以上かかっている人も 2~3割いるそうです。メールの作成や使い方に関して個人差が大きいため、見直す必要があるそうです。

本日のビジネスEYEでは、「時短を達成するビジネスメール術(1)」をお届けします。

仕事の速度を上げるメール術

メールやエクセル、ワードなどで使う「ビジネススキル」は、見よう見まねで使い始め、自己流のままの方が少なくないでしょう。それだけに、意外にもショートカットキーなどの時短につながる「コツ」を知らない人も多いです。

前出の調査では、1通にかかるメール作成時間についても調査しています。役職別では「部長クラス」が平均 5 分と最速であり、続いて「経営者・役員クラス」「課長クラス」「一般社員」が6分、「係長クラス」「主任クラス」が7分となっています。また、「残業が多いと感じる」人は 7 分、「感じない」人は 6 分と回答しました。

生産性を落としている原因が、メールの使い方にある可能性を考慮し、メールの使い方や作成時間を見直す必要があるでしょう。

自動振り分け機能を使いメール管理をラクに

受信したメールを読む時間は減らしにくいでしょう。これは送られてくるメールは相手が書いているものであり、こちらではコントロールできないためです。

ただし、「自動振り分け機能」を使ってメールの数を減らすことは可能となります。この機能により、メールマガジンや広告といったものを一括でフォルダ分けしてくれるため受信トレイには、顧客や社内からのメールなど「今スグ読むべきメール」だけが表示されるようになります。手順もそれほど難しくないので、今すぐに取り組んでみてはいかがでしょうか。

メールチェックの頻度

メールソフトを開きっぱなしにすると、新着メールが届くたびに通知されます。通知を受けて早めの返信を心がけることも大事ですが、資料作成など集中したいときなどは、時間を区切り、メールに集中する時間を設けてみましょう。

例えば1日に3回程度、つまり出社直後、昼休み前、帰宅前などに専用の時間をつくり、メールに集中的に対応するのです。専念することで、仕事の効率も上がります。

要旨を最初に述べる

出張や会議など他に優先順位の高いものが入ると、メールは後回しになってしまいます。無視されずに、こちらの伝えたいことを相手に理解してもらえるよう、送信する側としても最大限「見せ方」に配慮しなければなりません。

メールは開封して上から順に読んでいきます。そこで、冒頭部分で要旨をまず明記することが大切です。

【要旨を伝える一例】

・「プレゼンのチェックをお願いします」
・「納品日変更のご相談です」

上記のように書くことで、冒頭部分を読んだだけで全体像を推しはかることができます。逆に、メールの最後に、重要な結論が書かれている場合は、読み進めることに対して不安になってしまうでしょう。

文面も見た目が9割

さらに、メール作成において重要なのは意外にも「ビジュアル」です。メールの「見た目」を意識するだけで、相手に伝わりやすい内容となります。簡潔な文章となるよう工夫することで、ムダが削ぎ落され読みやすくなります。

【簡潔な文章のポイント】

・段落を分ける
・箇条書きにしてまとめる
・長文をやめる(一文が50文字以内など)

こうしたことを心がけるだけで、メール骨子が浮かびあがります。相手に何を伝えたいか、相手のどのような行動を期待しているのか、そうした情報がくっきりと伝わるメールとなるはずです。すっきりと見やすく書くことがポイントとなります。(参考:『週刊ダイヤモンド』2018年1月20日号/仕事超高速化の技)

1月22日、通常国会が開会しました。安倍総理は、「働き方改革」関連として労働基準法や労働契約法など8本の法律の改定案を一括審議する予定です。「高度プロフェッショナル制度」創設や、裁量労働の対象拡大、長時間労働を抑制する残業の「上限規制」など、働き方に関わる多くの論点が含まれています。

残業の「上限規制」が可決した場合には、時間外労働を最大で月100時間未満に制限することが求められ、また、違反企業には罰則が科される内容になります。今まで以上に、生産性を高める努力が必要となるでしょう。

各部署における仕事そのものの棚卸、進め方や手順の見直しに加え、メールについて生産性向上のための施策始めてみてはいかがでしょうか。

 

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