時短を達成するビジネスメール術(2)(Vol.361)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

人材派遣のリクルートスタッフィング社(以下、RS社)では、「労働時間を短縮しながら生産性向上」を掲げ、2013年に「スマートワーク」と名付けたプロジェクトを発足しました。導入から3年で「1日あたりの労働時間を3.3%ダウン、労働時間1時間あたりの売上生産性は4.6%アップ」を達成したそうです。日々の業務における「細かな工夫」の積み重ねが功を奏したようです。

本日のビジネスEYEでは「時短の達成するビジネスメール術(2)」をお届けします。

「単語登録」機能を活用

メール作成時間の短縮には、「単語登録」機能が有効なようです。
文頭の挨拶、取引先名、名前や結びの言葉など、よく使う単語やフレーズなどを事前登録すれば、入力時間を短縮するだけでなく、打ち間違いなども回避できます。日に何通もメールを送る方なら、数十分単位での労働時間削減につながります。

「テンプレート(雛形)」を共有

同じような文面のメールを送っている場合、その「テンプレート」をテキストで作成・保存しておけば、その都度コピーして使うと時短につながります。RS社の場合、メールのテンプレートは用途ごとに、内容が一番優れているメンバーのテンプレートをチームで共有したそうです。
なお、テンプレートにリンクを貼りつけ、1クリックでアクセスできるようにしたところ、入社歴の浅い新人でも5分で作成できるようになったそうです。

本当に「メール」が良いのか?

コミュニケーションの手段は、メールだけではありません。時と場合により、「電話」「顔を見て話す」も使い、時短につなげたいものです。特に、メールは文字として残りますので、誤解を招かないように配慮する必要があります。また、ニュアンスが伝わりづらい側面がありますので、相手(読み手)の感情を考慮するあまり、予想以上に時間がかかってしまった経験もあるのではないでしょうか。
こういった場合には、メールよりも電話をした方が結果的に早いでしょう。
社内であれば、その人の席まで足を運んで話をすることで、相手の反応を見ながら内容を確実に早く伝えることができるでしょう。
また、何かを依頼する場合には、電話で簡単に相手に要件を話しておき、その後にメールを送った方が、相手も心構えができているので迅速に対応してもらえるでしょう。

「件名」のつけ方

メールの「件名」のつけ方は重要です。皆さんのなかで、「〇〇〇について」といった件名にしている方はいませんか?
これは、相手にとって相談なのか、依頼なのか、報告なのかが分かりづらいため、ビジネス上ではあまり良くない「件名」と言われています。

件名には「どうして欲しいか」を書くことで、相手の行動を促すメールとなります。下記の例でいう「依頼」「お願い」「調整」といった部分です。このような件名にすることで、受け取った人が、すぐに行動につながりやすくなります。

【件名の悪い例】

 ・会議について
 ・資料作成について
 ・打ち合わせについて

【件名の良い例】

 ・会議出席の依頼
 ・資料作成のお願い
 ・打ち合わせ日程の調整

さらに、具体的な日程や固有名詞を入れると後々便利となります。2カ月くらいが過ぎて、メールを「検索」する際、お目当てのメールが引っかかるようにメール内容概要を件名に入れることが重要となります。

【検索を意識した件名】

 ・4月広報誌 デザイン案の依頼
 ・システム導入 見積案の確認

後々に検索することを見越して件名をつけることで、大量に保存されているメールが、あなたの大切な資料となるでしょう。日々の業務での「細かな工夫」が、時間短縮のカギを握っています。

人口減少局面にある日本では、今後も、人材採用が難しくなることが予想されます。そのため「生産性の向上」は、避けては通れない企業の課題なのでしょう。現場における生産性向上のための施策としては、まずは、日々の業務におけるタイムマネジメントを心がけ、何をしているか分からない「消えてしまった時間」をあぶり出すことから始めてみることが大切となるでしょう。

意識していない「消えてしまった時間」=「ムダ」を圧縮させて、余った時間をよりクリティティブな時間へ振り分けることから始めてみませんか?

 

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