2018.05.10

ビジネスEYE Vol.372


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

最近、海外に不動産などの財産を所有されている方、もしくは海外への移住を検討されている方をお見かけします。
いざ相続となった場合にはどのような取扱いをうけるのでしょうか。
今回のビジネスEYEでは、海外に資産をお持ちの方、または、海外居住者が陥りやすい相続税の注意点をご紹介します。

◇◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◇◆海外にご家族がいらっしゃる方や海外に財産をお持ちの方の相続税の注意点
◇◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◆相続税の課税対象————————————————-

◇日本の相続税の課税対象

【国内にある財産】
全てのケースにおいて日本の相続税がかかります。

【海外にある財産】
1) 被相続人と相続人のどちらかが日本に住んでいれば海外にある財産にも日本の相続税がかります。
2) 被相続人と相続人が、ともに海外に住んでいれば海外居住期間が10年超かどうかにより判断されます。
※外国人の駐在員のような一時的に日本に居住する方については別途規定がございます。

◆事例———————————————————–

主人に相続がおこりました。7年前から家族で海外に居住しております。現地で購入した不動産と日本に以前から所有している不動産があります。日本の相続税はかかるのでしょうか。

◇家族構成
 父(被相続人)
 母(相続人)
 長男(相続人)

◇財産構成
 日本国内の不動産 1億円
 海外の不動産 8,000万円
 日本国内の預貯金 5,000万円
 海外の金融機関の預貯金 2,000万円

◆税制改正により平成29年4月1日より条件が変わりました—————–

改正前は被相続人と相続人が、ともに相続開始前5年以内に国内に住所がなければ国内財産のみに相続税が課税され、海外財産には日本の相続税はかかりませんでした。

しかし改正により5年が10年に変更されました。ご相談のケースは、海外に住居を移してから10年を経過していないので、国内財産、海外財産の全てが日本の相続税の課税対象となります。

以前は5年間海外に移住することで、節税をお考えの方もいらっしゃいましたが、10年となるとなかなか踏み切れません。
安易な考えによる租税回避が阻止されたわけです。

海外にある財産については現地の税金の課税対象となることもあり、かなり複雑です。
生前の対策をご検討の方は、事前に専門家へのご相談をお勧め致します。

中村亨のビジネスEYE メールマガジン
日本クレアス税理士法人|コーポレート・アドバイザーズでは、会計の専門家の視点から、経営者の次の智慧となるような『ヒント』をご提供しています。