遺言書の注意点(Vol.377)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

「遺言書は作っておいた方がいいよ」、とよく聞きますが、いざ相続が身の回りで起こって遺言書が見つかった場合、どのような手続きを行って、何に注意すればいいのでしょうか?

今回は遺言書の内容を確認する際の注意点をお話してみたいと思います。

実際に遺言書が見つかったときに何をすればいいでしょうか?

遺言書の存在を知る方法は? 

公正証書遺言の作成件数は、平成29年は110,191件(平成20年は76,436件)で、年々遺言書の作成件数は増加しています。遺言書の必要性を皆さんが感じているという事が示された数字ですが、実際に相続が起こった時に公正証書遺言の有無がわからない場合には、どうすればいいのでしょうか。

実は、公正証書遺言は日本公証人連合会によりコンピュータ管理されています。正本も謄本も見つからない場合又は公正証書遺言の有無がわからない場合には、相続人等が以下の書類を揃えて公証役場に照会をすればすぐに調べられます。

≪必要な書類≫
・除籍謄本
・被相続人と相続人との関係がわかる戸籍謄本
・免許証などの本人確認資料

公正証書遺言があるとわかった場合には?

見つかった公正証書遺言の内容を確認するために、遺言書が作成された公証役場に連絡を取り出向かなくてはなりません。公証役場や遺言書が作成された時期にもよりますが数日かかることもあります。公正証書遺言は家庭裁判所での検認の手続きを経る必要がないので、内容が確認できたら速やかに遺言を実現することができます。

内容に納得できない場合

法定相続人(兄弟姉妹は除きます)には遺留分(いりゅうぶん)という最低限もらうことのできる財産が保証されています。つまり遺言書に書かれている遺産の割合が遺留分に満たない場合には、他の相続人に対し遺留分を請求することが出来ます。この手続きを「遺留分減殺請求権」と言います。ここで注意していただきたいのはこの遺留分減殺請求権には時効があることです。

遺留分減殺請求権の時効とは

遺留分減殺請求権は、次の2つの事実を知った時から1年間行使しないと、時効によって消滅することになります。
1.相続の開始を知った時
2.減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時

また、被相続人の死亡から10年を経過しても、時効を迎えるとされているので、被相続人が死亡してから10年を経過してしまうと、たとえ死亡を知ってから1年以内であっても、時効が成立してしまいます。遺留分が侵害されていることをいつ知ったかについては、立証が難しく、また音信が途絶えていて被相続人の死亡を10年間知らなかった、といった場合などはまれです。従って、通常は被相続人の死亡を知ってから1年で時効を迎えると考えます。

遺留分減殺請求

遺留分減殺請求には特別な手続きは決められていませんが、意思表示をするには遺留分を侵害しているであろう相手全員に内容証明郵便で、通知を送付するという方法が一般的です。1年というのは想像以上にあっという間に過ぎてしまいますので、遺留分が侵害されていることが分かれば、相続問題に詳しい専門家に相談して、なるべく早く手続きを進めるのがよろしいかと思います。

 

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