2018.07.12

ビジネスEYE Vol.381


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

相続税や贈与税の計算の際には路線価が使われますが、2018年分の路線価が7月2日に国税庁より発表されました。

都心部では上昇が続く一方、地方では下落が止まらない地域が多く二極化が進んでいます。今年も東京都中央区銀座の鳩居堂前が最高額を更新し注目を集めました。1平方メートルあたり4,432万円という数字は、かなりのインパクトを受けます。

本日のビジネスEYEでは「路線価上昇の影響」を考えていきたいと思います。

路線価が発表されました

◆ 路線価上昇の影響 ~相続税の評価額

路線価の上昇で真っ先に思い浮かぶのは相続税です。今回発表された路線価は相続税や贈与税の土地の評価の基本となるものです。

国税庁のHPに路線価を付した地図がありますので、ご自宅前の道路に表示されている路線価に土地の面積をかけると相続税評価額の概算金額が計算できます。

都心にお住まいですとご自宅の土地だけで相続税の基礎控除額 [3,000万円+(600万円×法定相続人の数)] を超え、申告が必要になるケースが増えてまいりました。
例)東京都杉並区のとある地区
路線価    :40万円
土地の面積  :100㎡
相続税評価額 :40万円×100㎡=4,000万円
法定相続人の数:1人
基礎控除額  :3,000万円+600万円=3,600万円

上記のケースですと相続税評価額が基礎控除額を上回りますので、相続税の申告が必要となります。ご自宅やご実家の評価額を計算されてみてはいかがでしょうか。

※土地の評価額は土地の形状等により増減がありますのであくまでも概算です。

 

◆ 路線価上昇の影響 ~不動産の購入金額

評価額が上昇している背景には都心の大型オフィスビル、マンション開発や訪日客の増加による商業ビル、ホテル建設等があり、今後も地価の上昇が続くと考えられます。相続税対策で不動産の購入をお考えの場合、このまま土地の価額が上がり続け、また消費税が平成31年10月1日から10%に引き上げられることも考慮すると、今が購入を検討する重要な時期になるのではないでしょうか。

 

◆ 相続対策

不動産の購入による相続税対策を検討する場合には、以前ご紹介した小規模宅地等の特例の改正に注意が必要です。改正により相続開始前3年以内に貸付事業用とされた宅地等については、貸付事業用宅地等の特例から除外されることとなりました。改正前は一定の条件の下、相続税評価額から50%もの減額をうけることができましたので改正の影響は大きいかと思われます。

不動産の活用による相続税対策は有効ですが、正しい知識がないと遺産分割によるトラブルや、賃貸物件が満室にならない等、様々なデメリットが発生してしまいます。

不動産に関する相続税評価額には様々な評価減等の特例がありますので、事前の対策が可能なうちに一度専門家へご相談されてはいかがでしょうか。

 

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