2020.11.12

『基準地価3年ぶりの下落』-相続トピック(Vol.498)


中村亨の「ビジネスEYE」です。

2020年9月29日に発表された基準地価は、全国の全用途平均でマイナス0.6%になっており、実に3年ぶりの下落となりました。

下落となった背景には,新型コロナウイルス感染症の影響による投資不安が上昇幅を縮小させ,その後横ばいもしくは下落へと転化した事があるのではないでしょうか。

今回のビジネスEYEでは、基準地価の下落が相続に与える影響についてお伝え致します。

 

■基準地価とは?

基準地価は,その年の7月1日時点における基準地21,519箇所の1㎡当たりの地価を,都道府県が依頼した不動産鑑定士が鑑定して公開するものです。民間の土地取引において,適正な価格を知るための目安として活用されるほか,国や地方公共団体が土地を収用するときの基準としても利用されています。

この基準地価と対比されるものとして,毎年3月下旬頃に国土交通省が発表する「公示地価」があります。この公示地価は1月1日時点,それに対して基準地価は7月1日時点の地価を表しており,半年間の時間経過があることから,地価の時間的変化に対して補完し合う関係にあるといわれています。

そのため2020年の公示地価には新型コロナウイルス感染症の影響が反映されていませんが,基準地価には反映されております。

現実の土地取引は基準地価のとおりに売買が成立することはほとんどありません。それは基準地価が,売り急ぎや買い進みといった売主・買主が有する個別的な事情を考慮せず,仮に調査地点に建物があっても更地であることを前提に評価するからです。基準地価は,あくまで土地の適正な価格を知るための目安だということです。

■基準地価がもたらす<相続税への影響>

我々のように相続の実務をする者にとって,新型コロナウイルス感染症の影響がどの程度地価を変動させるのか,注目されています。

相続が発生した場合,その年の路線価を基準に税額の計算を行います。路線価とは,毎年1月1日を評価時点として公示地価を参考に国税庁が算定した土地の単価です。

令和2年の路線価は評価時点が1月1日のため,新型コロナウイルス感染症の影響が反映されていません。そのため,このままでは【地価が明らかな下落傾向にあるにも関わらず,土地を割高に評価し,税額を計算することになってしまう】のです。

■土地の評価、二つの補正方法

国税庁では,基準地価について,広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合には,納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討するとしております。

つまり,新型コロナウイルス感染症の影響による地価下落を,相続税を計算するときの土地の評価額に反映させることができる可能性があるのです。

今回の基準地価は,大幅な下落でないとして,1月から6月までの間に相続が発生した方については,土地の評価額を補正しないことが公表されておりますが,【7月以降については,地価動向の状況を踏まえ,検討をする】としています。

相続税申告書は,相続開始から10か月以内に提出することが原則です。7月以降に発生した相続について,相続税申告書を提出する予定の方は,
下記2つの方法のうちいずれかを選択する必要があります。

①補正をしないで申告を行い,補正方法の公開後に税額を再計算して還付金を請求する
②補正方法が公開されるまで,相続税申告書を提出しないで待つ

どちらの方法がいいのかは、個々の案件ごとに異なってきますので、申告前に税理士などの専門家にご相談することをお勧めいたします。

■さいごに

新型コロナウイルス感染症の流行による影響などから,不動産の売却に関するご相談が急増しております。事業資金を得る目的などから,不動産の売却を検討されているという方もいらっしゃるでしょう。

日本クレアス税理士法人では,不動産取引の税務処理に詳しいスタッフが数多く在籍しております。初回のご面談は,無料にて承っておりますので,お気軽にお問い合わせください。

【お問合せ先】
日本クレアス税理士法人
電話:03-3593-3243
お問合せフォーム:https://creas-souzoku.com/free-consultation-form/

 

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