2020.12.03

『電気自動車業界にみる経営戦略の誤り』(Vol.501)


中村亨の「ビジネスEYE」です。

三菱自動車は、2009年から発売を行っていた世界初の量産電気自動車(EV)アイ・ミーブ(i-MiEV)の生産を2020年度内に終了させます。

EV時代の幕を切ったものの、新規参入が相次ぐEV業界の中では米テスラ社がシェアを牽引し、アイ・ミーブが忘れられた存在になっていました。EVに限らず近年の日本企業はイノベーションの先陣を切ったものの、淘汰され取り残される例が相次いでいます。

本日のビジネスEYEでは、経営戦略の課題について見てみましょう。

(参考:日本経済新聞/2020年9月19日・10月27日)

 

イノベーションを阻害する「グローバル視点の欠如」

アイ・ミーブの販売不振の直接の原因は、EVの性能を左右するリチウムイオン電池への投資を怠ったことであると言われています。グループ企業内での調達に手こずっている間に競合であるテスラはパナソニックと組み、大規模な共同生産体制を整えました。

似たような事例は「iモード」の失敗にも見られます。
NTTドコモが1999年にモバイル・インターネットの先駆けとして実用化し、米グーグルから提携を打診されるものの、技術を同社に握られるのを恐れ拒否。結局、普及したのは日本国内だけとなりました。

両社の失敗に共通するのは、グループ内で完結させようとする「内向き志向」であり、「グローバル視点の欠如」でしょう。

次世代ローソン、中国先行

さて、グローバルな経営戦略という点で目を引くのが、日本より進んだサービスを中国先行で展開している「次世代ローソン」です。

アプリで注文・店舗から24時間配達、スマホをレジ代わりに、位置情報を分析した出店戦略などデジタル技術を活用。日本より進んだサービスを中国で展開し、また日本へのサービスの逆輸入も進んでいます。中国の売上高は4年前比で4倍に増え、20年度に初めて黒字に転換する見通しです。

日本はコンビニ全体の店舗数が初めて減少に転じるなど、市場が飽和している中、デジタル改革や規制緩和が先行する中国は実験場としての意味合いに加え、収益面でも欠かせない事業になりつつあります。

計画は戦略にあらず

二つの例を挙げましたが、いずれも「新規市場・新規製品(サービス)」を狙うという、難易度が高い成長戦略であると言えます。

戦略について課題意識を持たれている経営者は非常に多く、また年末に足のかかった今の時期ですとなおさら、来年や中期経営計画のご相談を受けることもあります。それを受け、広報誌「ANGLE」で連載しているコラムの最新号では、経営戦略について切り込んでみました。

頭を悩ませているその「計画」に、そもそも「戦略」はあるのでしょうか?競争優位に立つための戦略とはどのようなものか、是非ご参考ください。

●〇● 経営メモ「計画は戦略にあらず」-広報誌ANGLE冬号
https://j-creas.com/angle/5888/

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