2020.12.09

自筆証書遺言vs公正証書遺言 どちらに軍配?(Vol.502)


中村亨の「ビジネスEYE」です。

平成31年1月に自筆証書遺言の書き方に関する法律改正が、令和2年7月に自筆証書遺言の保管等に関する法律が施行され、作成方式の緩和や安全性の向上などにより遺言書の作成が身近なものになりました。

ですが、そもそもどういった法改正だったのか、本当に便利になっているのか、あまり知られていないのが実情です。

今回のビジネスEYEでは、今年7月にサービスを開始した自筆証書遺言保管制度について公正証書遺言と比較しながらご紹介します。

 

自筆証書遺言保管制度について

従来は自筆証書遺言を作成したら、自宅などに保管をする方法が一般的でした。
しかしこれでは、遺言書が作成された後に、不利益な遺言を書かれた相続人によって内容を改ざんされる、あるいは秘匿や破棄されてしまうといった危険性や、そもそも遺言書自体を本人が紛失してしまう可能性もがありました。

そこで法律が新設され、令和2年7月10日に法務局での保管サービスが開始しました。

法務局保管のメリットとは

法務局の保管制度を利用した場合、自筆証書遺言は当然のことながら法務局で保管されますので、作成後改ざんの可能性は一切なくなります。遺言書が紛失、亡失してしまう事もありません。この安全性の高さが大きなメリットでしょう。

また、公正証書遺言と比較して、保管制度を利用した場合の費用の安さもメリットの一つに挙げられます。

加えて、自筆証書遺言は相続発生後に裁判所で必ず「検認」をする必要がありますが、法務局の保管制度では以下3点の確認を行った上で保管をするため、検認が不要です。

1.様式を満たすかの外形的チェック・確認
2.遺言書を自署したかどうかの確認
3.本人であることの確認

ただし、「外形的チェック」と「検認が不要」という点については、純粋にメリットとは言えない側面もあります。

手続きの進め方においては公正証書遺言に軍配

保管制度を利用した「検認不要」は、その手続きの進め方の観点では必ずしもメリットとは言い切れません。

なぜなら、相続開始後に法務局で遺言書の請求をする際に、裁判所に検認を申し立てる時と全く同じ書類(被相続人の連続戸籍や相続人全員の戸籍など)を提出しなければならないからです。

その為、相続開始後に手続きに向かう先が裁判所か、法務局か、という違いしかないですし、公正証書遺言では、作成時点で原本と同じ効力をもつ正本を交付されますので、公証役場に受け取りに行かなくても、その正本で手続きを進めることが出来るため、手続きの進め方の点では公正証書遺言が便利ともとれます。

保管制度は「遺言としての能力」を担保しない

また、法務局での「外形的チェック」とは、自筆証書遺言として自筆であるかどうか、日付や氏名の自書があるか、押印があるか等、その要件を満たしているかどうかのみであり、遺言書の文章や内容についてのチェックは一切行いません。

つまり、その遺言書で不動産の名義変更や、預金の解約など相続手続きができるかどうか、といった「遺言としての能力」を担保してくれるものではないということも理解しておく必要があります。

●〇● 相続のWebサイトでは、遺言の法改正について、自筆証書遺言vs公正証書遺言を
比較しながら更に詳しく解説をしています。以下URLよりぜひご覧ください。
https://creas-souzoku.com/columns/seizen/testament/c10571/

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日本クレアス税理士法人では、遺言作成に際しての、相続財産の洗い出しや試算、遺留分対策、税額シミュレーションのほか、公正証書遺言を作成する際の面倒な公証役場とのやり取り、日程調整などのサポート業務も行っており、相続に関するご相談を無料で承っております。

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