2017.02.24

ビジネスEYE Vol.313


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

グーグルの成長が止まりません。
グーグルを傘下に持つアルファベットが発表した2016年10~12月期決算では、16年10~12月期の売上高は約3兆円(260億6400万ドル)でした。現在、時価総額ではアップルに次いで世界2位となります。

本日のメルマガでは、グーグルの強さの秘密について、「3つの文化」というキーワードから考えてみたいと思います。

■社内の風通しのよさがグーグルを成長させる
グーグルには、「3つの文化」があります。(週刊東洋経済 2015.6.13)

1. ミッション : 世界中の情報を整理し、誰でも利用できる有益なものにする
2. 透明性   : 社員は善良だと信じているなら、彼らと情報を共有することを恐れてはならない
3. 発言権   : 誰もが自分の運命を支配したがっている

3つの文化は、試練のときに真価を発揮することになります。

グーグルが2006年に中国市場に参入した際、中国政府の意向を受け入れる格好で、民主化や少数民族問題などの情報を非表示にすることを決めました。自主検閲を受け入れたことで、グーグルはアメリカ議会の公聴会で集中砲火を浴びることになりました。2010年に中国本土から撤退(ネット検索サービス)を決断しますが、その結論に至るまでには数千時間にも及ぶ議論が繰り返され、「グーグルらしさとは何か」を問い続けたそうです。

グーグルは、「ミッション」「透明性」「発言権」の3つの文化により、企業としての方針を明確にできました。それゆえ、企業を作る「人」にもこだわりがあり、採用面においても独自の文化が貫かれています。

■『ワーク・ルールズ!』
グーグルでは、人材の採用を大変重視しています。優秀な社員を世界中から見つけ活躍してもらうことで、企業が成長できるからです。そうした採用の秘訣、及び企業文化の神髄について、グーグルで人事部門のトップを務めたラズロ・ボック氏は著書の中で、下記のように特徴を述べています。

1. Becoming a Founder
創業者になろう。自分のチームの働き方の基礎をつくる思想法

2. “Culture Eats Strategy for Breakfast”
戦略より文化を築こう。社員に自由を与えれば驚くほど活躍してくれる

3. Lake Wobegon, Where All the New Hires Are Above Average
なぜグーグルは採用を最重視するのか。優れた人材を見つけるコツ

4. Searching for the Best
最高の人材を選び出すメカニズム。一匹狼よりチームプレイが大事。

5. Don’t Trust Your Gut
直感を信用してはいけないこれだけの理由。通常の面接はムダだらけ。

6. Let the Inmates Run the Asylum
社員を信頼して任せよう。マネージャーからいかに権限を奪うか

7. Why Everyone Hates Performance Management, and What We Decided to Do About It
誰もが嫌う業績管理と、グーグルがやろうと決めたこと

8. The Two Tails
トップ社員とダメ社員に注目しよう。どちらも同じくらい大切

9. Building a Learning Institution
学習する組織を築こう。社員同士が長所を生かし教え合う風土づくり

10. Pay Unfairly
報酬は不公平でいい。同じ仕事でも成果には絶対差がつくのだから

11. The Best Things in Life Are Free (or Almost Free)
なぜグーグルの食堂はタダなのか。福利厚生費が意外に多くない秘密

12. Nudge…Lot
社員のやる気を引き出すために、グーグルが活用している奥の手あれこれ

13. It’s Not All Rainbows and Unicorns
グーグルが犯した最大の間違いと、それを避けるためにできること

14. What You Can Do Starting Tomorrow
あなたのチームと職場を変える10のステップ。どの会社でも実現可能

『ワーク・ルールズ!』(ラズロ・ボック著、鬼澤忍、矢羽野薫 翻訳、東洋経済新報社)

グーグルの採用レベルは超難関で知られており、ハーバード大学に入学するよりもはるかに厳しく、狭き門と言われています。なんと、世界中から毎月10万通以上の履歴書が届くそうです。フラットでオープンな組織は、それだけでも魅力的なようです。

採用試験では、職務能力を予測するために、予めワークサンプルテストを行い、出来栄えを評価します。
さらに、面接では、これまでの業績について説明を求めるとともに、「仮に〇〇の場合、どうするか?」といった仮の想定についても質問を繰り返します。
こうした質疑応答を組み合わせて行うことで、採用候補者が実際にチームに加わった場合に発揮されるであろう能力を見極めることができるのです。
こうした採用の過程を経て、グーグルは最高の人材を仲間に迎えているようです。

検索エンジンからスタートして、プラットフォームとして確固たるポジションを確立した後も、人工知能やバイオ、宇宙開発にも進出して、第一の文化である「世界中の情報を整理し、誰でも利用できる有益なものにする」を遂行するグーグル。
グーグルのサービスはもちろん、働き方やビジョンからも目が離せないのは、私だけではないでしょう。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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