カレーハウスCoCo壱番屋」創業家の経営哲学とは?「率先垂範」からひも解く(Vol.311)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

2015年、ハウス食品グループ本社の傘下に入ることを発表した「カレーハウスCoCo壱番屋」。創業家の宗次德二氏・直美氏は鮮やかに経営から身を引きました。国内外に1,200店舗余りを展開するまでに会社を育てた宗次氏。経営哲学とはいかなるものだったのでしょうか。

本日のメルマガでは、「率先垂範」というキーワードから紐解いてみたいと思います。

拍手喝采でお客様を迎える

1974年に宗次夫妻は、名古屋市郊外で飲食店を創業します。当初、経営は厳しく、毎朝7時の開店時にお客様の姿が見えると、手をたたいて喜んだそうです。その創業当初のお客様への感謝の気持ちを込めて下記の標語を作りました。

「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」
(『夢を持つな!目標を持て!』カレーハウスCoco壱番屋 創業者 宗次德二氏 著、株式会社 商業界)

経営に身をささげ続ける覚悟が必要

経営は甘くない

宗次氏は、夢を実現するためには、「自分のことを二の次にして経営に身をささげ続ける覚悟」が必要だと述べています。起業希望者へのアドバイスとしては、「起業は並大抵の努力では成功できません。これまでの人生を180度変えるほどの決意があり、幾多の艱難辛苦をもろともしない覚悟を持ち、目標に向かって努力し続けることが必要」と説いています。

率先垂範(そっせんすいはん)

率先は「史記」、垂範は「宋書」に出てくる言葉で、「自らすすんで模範を見せる」という意味です。カレーハウスCoCo壱番屋を一大チェーンへと育てた宗次氏も、強い覚悟を持って仕事をする姿を社員に示しました。宗次氏は経営に携わった28年間で映画館へ行ったのは、ただの一度きり。

毎日12時間、365日働いたそうです。時間にして4,380時間以上になります。さらに早朝に出社し、1日に1,000通以上も届くお客様アンケートに目を通し、各店長宛にFAXでコメントを出していたそうです。

松下幸之助の「率先垂範」に関わる名言

率先垂範を実践していたのは、宗次氏だけではありません。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助氏も、下記のように述べています。

「だれよりも早く起き、だれよりも遅くまで働く、やはり経営者自身が身をもって示すことが第一です。ああすればこうなるとか、こうすれば社員はどう動くとかいった意図的なことに神経を使うよりも、まず自分が一心不乱にやることです。私は、小企業の経験も、中企業、大企業の経験もしてきましたが、主人公の率先垂範が第一ということは、まったく企業の大小を問わず、共通にいえることだと思います」

 

本日(2月16日)、『M&Aサミット2017 Season1 未来に繋ぐ、経営者の想い 』を開催いたします。カレーハウスCoCo壱番屋 創業者 宗次 德二 氏のご講演を直接聴くことができる、またとないチャンスです。

現在ではボランティア活動にいそしむ宗次氏の華麗なる転身について、さらには経営哲学や人生観についても語っていただける予定です。ぜひ、足をお運びください。皆様のご来場をお待ちしております。

 

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