2017.02.07

ビジネスEYE Vol.310


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

国内最大のスナック菓子メーカー、カルビー。
2009年にカルビーの代表取締役会長兼CEOに松本晃氏が就任後、増収増益を達成しています。
低利益率に苦しんでいたカルビーを成長企業へと変革に導いたのは「徹底的なムダの排除」でした。

本日のメルマガでは、「仕事の棚卸」について考えてみたいと思います。

 

◇結論から考えることが重要
企業にとって最も重要なことは何でしょうか?カルビーの松本氏は、「売上と利益を増やすこと」と答えています。
この2つの結論に直結しない仕事を見極め、最短で実現できる方法を考えることが重要だそうです。

◇戦略の見直し
カルビーは、迅速な意思決定を図るために「コックピット経営」を実践してきました。事業ユニットごとの数値データをグラフ化して毎週更新し、全従業員に共有するというものでした。ただ、この手法は膨大な情報を読み取る力が求められるため、思うような成果が得られなかったようです。現在では、「利益」「売上」「工場稼働率」「製造原価率」等、データを絞って共有しています。

◇未来工業の「やめる力」
「徹底的なムダの排除」を行っているのはカルビーだけではありません。「日本一社員が幸せな企業」と称される未来工業は、「やめる力」が抜群に高い企業です。同社は、1日7時間15分の就業で残業禁止が原則です。さらに「営業ノルマ」「報告・連絡・相談」等も不要とされています。その強さの秘訣は「やめる力」を高め、ムダを徹底的に排除してきましたことにあります。そうした働き方を実践してきた結果、50年間赤字ゼロで好業績を継続しています。ムダを排除し、事業の本質に迫る仕事のみに注力する姿勢が好業績につながっています。

◇ムダを排除するために何を行ったのか?
カルビーでは、ムダを徹底的に排除するために半年に1回「仕事の棚卸」をしています。棚卸では、社員は自分の仕事を下記の3つに分類します。

1.会社に必要な仕事
2.すぐに始めるべき仕事
3.ムダな仕事

その上で、幹部層が1年に2回、現場の意見も聞いた上で仕事を継続するかどうかを判断するそうです。ポイントは「その仕事が事業の結論に直結するものなのかどうか」。仕事を分類し見直すことは、企業の体脂肪率の改善に似た効果をもたらすのでしょう。

◇ビジネスに対する10の考え方 (日経ビジネス / 2013年9月9日号)
カルビー社員が基本にする10の考え方は、下記のようになります。

1.Commitment&Accountability(約束と結果責任)
2.人の評価はFairに
3.会社は「厳しく」「暖かく」
4.現状維持是即脱落
5.正しいことを正しく
6.No Meeting No Memo
7.One Dollar – OUT
8.全てのコストは顧客が負担
9.報告の3原則
10.業務の3原則

カルビーでは上記の指針に基づいて、目標に最短で届く方法を探し実行しています。社員の意識改革は、多くの会社においても参考とすべきものでしょう。

さらにカルビーは、多様な働き方を認め優秀な人材を確保する狙いから、2017年4月以降に「テレワーク」の上限日数(週2日)を撤廃すると発表しています。「働き方の見直し」を進めるカルビーにならい、まずは「仕事の棚卸」から始めてみてはいかがでしょうか。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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