ヤフーの働き方改革を軸に「週休3日制」について考える(Vol.304)


中村 亨の【ビジネスEYE】です。

ソフトバンクグループ傘下のIT大手ヤフーが、働き方改革を推し進めています。様々な取り組みを行う同社ですが、なかでも『週休3日制』の導入検討が話題となりました。本日のメルマガでは、ヤフーの働き方改革を軸に「週休3日制」について考えます。

『 ヤフーの働き方改革 週休3日の狙いは、労働生産性アップ』[エコノミスト 2016/12/13]

ヤフーが打ち出した『働き方改革』

ヤフーは本社移転に併せ、「働き方改革」を打ち出しました。同社が提示したプランは、いずれも『場所』もしくは『時間』の制約を取り払うものでした。この2つの制約を外すことは容易ではありませんが、実現できれば多様な働き方を支援する体制を示すことができるため、人材の確保が有利になると予想されます。では、具体的な取り組みをみてみましょう。

「週休3日制(導入検討段階)」

働き方に自由度を持たせるため、AI(人工知能)や機械学習を駆使し、作業に割かれる時間を減らすことで、週休3日を実現しようとする。

「フリーアドレス」

以前に本メルマガでも紹介しましたが、社員が個々に固定席を設けず、自由な席に座って仕事をするタイプのオフィス。コスト削減や他部署との連携が取りやすくなるほか、コミュニケーションの活性化によるクリエイティビティにも期待が持てる。

「どこでもオフィス」

月に5回、オフィス以外の場所での勤務が可能となる制度。『場所』に縛られない働き方を実現することで、自由な発想からサービスが生み出されることをすことを目的としています。

「新幹線通勤」

通勤時間が2時間以上かかっている従業員を対象に、新幹線代を含む通勤交通費を会社が月額で上限15万円まで支給するというもの。住む場所の選択肢を増やすことで、趣味や介護などの家庭の事情を抱える従業員にとって、より生活に合った働き方が可能となる。

「自転車通勤」

自転車での通勤を認めた上で手当てを支給する。

上記のほかにも、様々なプランが試験的に実施されているようです。

週休3日制のメリットと今後の課題

週休3日制を導入している企業は国内でも散見されます。大手では、日本IBMやファーストリテイリングなどがすでに導入しています。それぞれ独自のアレンジを加えており、内容をみてみるのも面白いものです。

時流からすれば、今後は『週休3日制』が主流となっていくと推測されます。では、メリットと今後の課題を挙げてみましょう。

【メリット】

・労働生産性が上がる・・・これまで週5日で行っていた業務を、週4日で行わなければならず、必然的に業務効率を上げる必要があるため、生産性は否が応にも上がる。

・心と身体に優しい・・・空いた時間を自己研鑽やリフレッシュなどに充てることができるため、精神衛生が良好に保つことができる。また、新しいアイデアも浮かびやすくなる。

【今後の課題】

・業務量、負担の増加・・・勤務時間が実質的に短縮されることになるため、1日あたりの業務量や負担が増加する。業務の取り組み方や体制を整備しないと、結局残業や自宅への持ち帰りなど、本末転倒な結果になってしまう。

・社外とのコミュニケーション・・・出社日が週1日減ることになるため、社外とのコミュニケーションにズレが生じやすい。クライアントが求めるスピード、スケジュールに対応できない可能性も。

制度導入のためには

企業側の支援だけで制度が機能するわけではありません。重要なのは、従業員一人ひとりが制度の本質を理解し、実現するために各人が創意工夫していくことです。単純計算で個々人の能力は25%アップが必要です。人によっては25%は厳しいというでしょうが、決して不可能な数値ではないと思います。

『ワーク・ライフ・シナジー』という言葉があります。以前は「ワーク・ライフ・バランス」として、仕事と生活は区別されてきましたが、見方を変えれば、2者はシナジー効果を生む関係なのです。もちろん、シナジーではなくバランスが良いとする人もいるでしょう。それゆえ、経営者・企業はそのどちらもが共存できる「多様性」を示し続けることが肝要なのです。制度ありきで考えるのではなく、その先にいる従業員の存在を忘れてはなりません。

 

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