中小・中堅企業の新分野転換、事業転換、事業再編等の思い切った挑戦を支援する「事業再構築補助金」第3回目の公募が7/30から始まっています。
あらゆる業種が対象のこの補助金は、中小企業の通常枠では従業員数に応じて最大8,000万円が補助される金額の規模に加え、補助率が引き上げられるなど優遇がある「緊急事態宣言特別枠」があることからも高く注目されています。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し売上の回復が見通せない中、活用しがいのある助成金です。今回のビジネスEYEでは要件や過去の採択状況、採択されるための事業計画について見てみたいと思います。(参考:中小企業庁「事業再構築補助金」Webサイト)
補助の要件
日本国内に本社を有する中小企業者及び中堅企業等で、以下を主要とする要件を満たした場合に補助を受けることができます。
1.売上が減っている※
2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、(b)2020年10月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること
中小企業庁「事業再構築補助金」https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
また、第3回公募からは「最低賃金枠」の新設や通常枠の補助上限の見直し、売上減少要件対象期間の拡大なども実施されています。
第1回公募の状況「事業計画を作ってみて良かった」
第1回の公募では22,231件の応募があり、要件を満たしたものが19,239件、採択数は8,016件で採択率は36%でした。「応募数は思ったよりも多かった」とは中小企業庁のコメントで、中小・中堅企業の制度への期待の高さを伺わせます。
業種別では、様々な業種が満遍なく応募しているものの、最も高かったのは製造業の23%続いては宿泊業・飲食サービス業の18%、卸売業・小売業の14%と続き、この3業種で全体の約6割を占めています。
応募企業の反応として特筆すべきは「事業計画を作ってみて良かった」という意見が多数だったことです。計画策定で事業を言語化したことにより、中小企業の個々の価値や強みを再発見できたのではないか、と同じく中小企業庁が分析しています。
金融機関・税理士関係が認定支援機関のツートップ
認定支援機関別に応募状況を分析すると、金融機関が約8,100社で最も多く、次いで税理士・税理士法人が約5,600社となっています。日頃から付き合いのある身近な専門化が相談相手に選ばれる傾向があります。
また、事業計画の策定に関して、事業主と認定経営革新等支援機関で良いチームができた、日頃の業務に活かせる新しい発見があった、という好意的な声も多く上がっています。
採択されるためのポイント
重要なのは補助金に採択されることではありません。何年後かに事業の再構築が成功することが目的です。採択されない事業計画には「この計画でなぜ、顧客や売上が増えるのか?」という根拠の説明が弱いという共通項があるようです。
誰が・いくらで・どのくらい買うか?
市場環境や競合の分析、製品・サービスの分析、事業化の課題やリスクとその解決方法の分析など、これらをしっかり行い、計画の根拠を示すことが採択されるための大きなポイントです。
なお、事業計画書は15ページ以内という指定があります。アピールしたいポイントは様々ある中で、特に着目する項目を特定することが成功の秘訣です。成功しそうな事業計画ほどコンパクトにまとまっている、と中小企業庁は評価しています。
なお、当法人も認定経営革新等支援機関として登録しており、事業再構築補助金のご相談を承っておりますので、申請をご検討の方はお気軽にご相談ください。
<お問合せ先>
日本クレアス税理士法人
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