2021.08.19

育児休業の個人への説明と取得意向確認の義務化(Vol.534)


2021年6月に育児・介護休業法の改正が国会で成立されました。男性の育児休業取得の促進を目的としており、主なポイントは3つあります。以下、解説いたします。

■ポイント①:出生時育児休業制度

1つ目は、子供の出生直後に分割して最大4週間利用できる男性の育児休業制度(出生時育児休業)です。

これまでの制度では、母親の産休中に父親が取得できる育休(パパ休暇)は1回しか取得できませんでしたが改正後は分割して2回の取得が可能となります。この改正は2022年10月より施行されます。

詳しい出生時育児休業の内容は、日本クレアス社会保険労務士法人のWebサイトでご紹介していますのでご参考ください。
●〇●「男性への「産休」改正育児・介護休業法が成立!」
https://ca-sr.com/report-childcare-1910/ 

■ポイント②:育休制度の個別周知と意向確認

2つ目は、育児休業制度の個別周知と意向確認の義務化です。具体的な内容は後述しますが、この制度は出生時育児休業制度より早い【2022年4月からスタート】します。従って、企業担当者は育児休業制度をきちんと理解し、意向確認までのフロー体制を来年4月までに整備していくことが求められます。

まず、育休の個別周知については現在も企業の努力義務とされていますが、3歳未満の子をもつ男性社員の6割以上が企業からの働きかけが無かったと回答しており、浸透していませんでした。しかし、今回の法改正により、具体的な周知方法が定められ義務化されることになります。

厚生労働省で審議中の育休制度の周知内容

1.育児休業に関する制度
2.育児休業申出の申出先
3.育児休業給付に関すること
4.労働者が育児休業期間について負担すべき社会保険料の取扱い

上記のうち、育児休業期間中の社会保険料の取扱いについては、免除要件が従来と異なりますので留意が必要です。次に意向確認の手段については、具体的に次の方法が提示されています。

厚生労働省で審議中の育休の周知・意向確認の方法

1.面談
2.書面を交付する方法
3.本人が希望すれば、電子メール等(SNS、LINE や Facebook)の送信も可

■ポイント③:育休の申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備

また、育児休業制度の個別周知と意向確認に加えて、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備も義務付けられました。具体的には,企業は次のうちいずれかを実施しなければなりません。

育休取得のための雇用環境整備措置例

1.育休に関する研修
2.育休に関する相談体制の整備
3.社員の育休取得に関する事例の収集及び当該事例の提供

■最後に

内閣府の調査によると男性が育休を取得しない理由の1つとして「育休中の収入が減少するから」と回答している人が34%を占めています。我が国の育児休業中の所得保障は雇用保険から休業開始180日間は休業前給与額の3分の2の額が、その後、子が1歳(最大2歳)になるまでの間は休業前給与額の2分の1の額が支給されます。通常勤務時には、社会保険料や税金等が控除されますが、育児休業期間中においては、社会保険料や税金は免除されます。

従って育児休業を取得した場合でも実際は、通常勤務時の手取給与額の概ね8割から9割が保障される仕組みとなっています。 育休取得を後押しするためにも、雇用保険からの給付等についても企業担当者がきちんと説明できるようにしていくことが肝要です。

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