インテルやアマゾン、変貌を繰り返して繁栄し続ける「カメレオン企業」(Vol.280)


コーポレート・アドバイザーズがお届けする「中村 亨の【ビジネスEYE】」です。

一般的に「IT業界ではプレーヤーの入れ替わりのサイクルが早い」といわれています。しかし、インテルやマイクロソフトのように、数十年にわたって変貌を遂げながら繁栄する優良企業も多くあります。本日のメルマガでは、このような「カメレオン企業」と呼ばれる企業について考えてみます。

幾つもの転換点を乗り越えてきたインテル

例えば、40年にわたって成功を収めてきたインテル。1960年代に集積回路(IC)という新技術で頭角を現し、70年代にはマイクロプロセッサーの発明で生まれ変わりました。80年代に入ると、PC市場で独占的な半導体メーカーにまで成長し、それが20年にわたって続きました。

その後、2000年代初めにクライアント・サーバー型コンピューティングが時代遅れとなったことから、「サーバー用半導体」に活路を見出し、再び大きな転換点を迎えます。

IT業界の優良企業には、インテルのように複数の局面を上手にくぐり抜け、業界でのポジションを維持する例が多くあります。

アマゾンの転換点

アマゾンの創業は20年前。インターネットを通じた購買行動を簡素化し、これまでに誰も見たことのなかった形に「ショッピング」を変えていきました。その結果、以前ならアマゾン以外のショップで購入されていた商品まで、アマゾンで注文するようになったのです。アマゾンの最近の転換点は2006年に始まり、ITそのものを商品に変えました。

以前であれば企業はさまざまなコンピューターを買いそろえる必要がありましたが、今ではクレジットカードさえあれば、ソフトウエア開発会社を立ち上げることが可能です。つまり、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)にアクセスすれば、書籍や衣類と同じように「コンピューティング能力を購入」することができるのです。

アルファベット(グーグル)の技術革新への投資

アルファベット(グーグル)は1998年9月に「世界の情報を組織化する」という目標を掲げて創業し、広告収入で得たキャッシュフローにより、技術革新への投資を繰り返してきました。同社の「グーグル・クラウド・プラットフォーム(GCP)」は、アマゾンのAWSに相当するもので、今後は同社のあらゆるコンピューティングの基本的な資源となるといわれています。

アマゾンとアルファベット(グーグル)を超えるプレーヤーが現れる日は、いつか来るでしょう。しかし、当面は、両社ともインテルの例のように「カメレオン企業」として、変貌を繰り返して繁栄し続けることになると思います。(参考:『THE WALL STREET JOURNAL』2016.6.7 By TIERNAN RAY)

 

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