2016.02.02

ビジネスEYE Vol.263


コーポレート・アドバイザーズがお届けする「中村 亨の【ビジネスEYE】」です。

2015年の訪日外国人数、過去最高の1,973万7,000人。
45年ぶりに出国日本人数を上回る。
(日本政府観光局/1月19日)

官公庁主導で2003年に始まった「ビジット・ジャパン・キャンペーン」。
この施策が功を奏し、訪日外国人数(インバウンド)は順調に増加、中でも中国人旅行者の増加は著しく、2015年には約499万人に達しました。

本日のメルマガでは「インバウンド施策の注意点」について考えてみたいと思います。

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☆中村亨の【ビジネスEYE】<号外>2016.2.02
~ちょっぴり仕事の合間に「ビジネスのヒント」を~
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◆ インバウンド施策例
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■ANA(全日本空輸)
自社サイト(航空券予約・サービス紹介など)に加え、日本を紹介するサイトを運用。
動画を多用することで、日本語や英語が分からない人に対しても『自社』と『日本』をアピール。

■松屋銀座
・外国人観光者専用の化粧品カウンター「TOURIST Shop & Lounge」をオープン。
・人気の国内4ブランドを展開し、中国語・英語を話すバイリンガルのアドバイザー、カウンセラーを常駐。
・訪日前にwebで商品の取り寄せ・受け取りが可能にするなど、効率的な買い物環境を提供。

■Loft
・中国からのインバウンド需要を取り込むため、中国で一般化している決済サービス「WeChat Payment(ウィーチャット・ペイメント)」を導入。
会計時の煩わしさを取り除き、ユーザビリティの向上を図る。

※「WeChat Payment」
店舗側は決済用端末としてiPadを導入し、購入者がWeChatを通じて表示するQRコードを読み取ることで決済するシステム。
決済手数料が発生するものの、端末(iPad)代金以外の初期費用がかからないなどのメリットがある。

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◆ 過度な期待は要注意
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訪日外国人旅行者は今後も増加傾向を辿るでしょう。
なぜなら、アジアの中間所得層が勢力を増してくることで、先進国である日本へアジアからの観光客が殺到するからです。

インバウンド需要を囲い込もうと、各企業とも様々な施策を打つ展開が予想されますが、
インバウンドへ過度な期待を寄せ、莫大なコストをかけるのは避けるべきでしょう。

インバウンド需要でマーケットが活況になっているのは事実ですが、日本経済全体へ与えるインパクトとして考えると、
その影響は非常に微々たるものなのです。

目先の需要に囚われ、価格競争の様相を呈するようになれば、サービスの本質、そして日本の魅力を見失うことにもなり兼ねません。
インバウンドは“あくまで通過点”として捉え、中長期で活かせる施策を打つべきでしょう。

また、対外ばかりに目を向けず、国内の需要・消費を喚起するような施策を常に模索・検討することも重要です。

「2020年の東京オリンピックまで、或いはその数年前まで今の契機は持つだろう」
「インバウンドがあるから大丈夫だ」

よく耳にする声ですが、このように悠長に構えている時間はありません。

経営者はオリンピック後を見据え、「いかに攻め、いかに守るか」のビジョンを明確にすることが必要となるでしょう。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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