2016.01.28

ビジネスEYE Vol.262


長引く販売低迷・業績不振にあえぐ日本マクドナルドHD(以下、日本HD)。
その筆頭株主である米マクドナルド本社(以下、米本社)が自身での『再建』を断念し、
保有する株式の一部を売却することを表明しました。

実現すれば、米本社が直接経営から撤退することになり、
新たな経営陣の下で再建プランがスタートすることになります。

日本HDにとっては、未知の領域、まさに変革期に突入することになります。
本日のメルマガでは「変革期に向かう日本HD」について考えてみたいと思います。

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◆ 米本社が日本HD株を一部売却
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米マクドナルドは25日、日本事業の持ち分の一部について売却を検討していることを正式に表明した。
同日開いた2015年10~12月期の決算会見で、ケビン・オザン最高財務責任者(CFO)が
「日本事業の再建を支援してくれる戦略的な投資家を探しているところだ」と語った。
(日本経済新聞1/26)

売却規模は、発行済み株式の15%から最大33%分までとしていますので、
最大の33%で1,000億円程度の規模となります。
ネームバリュー等を勘案すると割安感がありますが、
直近2015年に300億円超の赤字を出していることを加味すると、なかなか手を出し難い状態と言えそうです。

■経営陣刷新は追い風に!?

売却が実現すれば、日本HDにとっては「追い風」になるかも知れません。

その理由は明白です。

あまり知られていないのですが、日本HDの創業は米本社ではなく、
当時(1971年)実業家であった藤田 田氏がフランチャイズ権を購入して設立した会社だからです。

つまり、日本で隆盛を誇った時代を支えていたのは、日本人経営者の手腕に依るものであり、
日本独自の経営(丁稚奉公、のれん分け制度)が行われていたからなのです。

米本社が躍起になって取り組んできた再建プランの多くは、
良くも悪くも『米国流』であり、グローバルスタンダードに沿ったものでした。

独自路線で成長して来た日本市場で機能させるには抜本的な見直しが必要でしたが、
時すでに遅しといったところです。

■ 日本コカ・コーラ
米国と日本、市場環境の違いを的確に理解し、有効な対策を打ち出した最たる例が『日本コカ・コーラ』でしょう。

同社は子会社であるにも関わらず、米本社の方針に逆ってペットボトルのお茶や水分補給飲料を出し、
商品ラインナップを充実させました。
現在では炭酸離れに苦しむ米本社を横目に、順調な売上を維持し、不動の地位を築いています。

■ 日本HDの今後
日本HDが真に回復するには相応の時間がかかるでしょう。
育成した人材の流出、サービスの低下、顧客との信頼関係など、米国流で失ったものは枚挙に暇がありませんが、
日本市場を徹底的に理解し、現場の関係者やスタッフの声に耳を傾け、そして顧客ニーズを徹底して吸い上げることが必要です。
また、「顧客に寄り添う」経営スタンス、企業であることを対外的にアピールすることも求められるでしょう。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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