2015.11.05

ビジネスEYE Vol.251


世界最大の食品・飲料会社であるネスレ。

 

2014年度のグループ全体の売上高が916億スイスフラン(約10兆6300億円)。直近レート(11/4)では、約11兆1965億円という超巨大な事業規模です。さらに驚くべきは、その営業利益率で、実に15.3%という高収益構造です。

同社は「ネスカフェ」をはじめ、「キットカット」や「フリスキー(猫用品)」などの有力ブランドを武器に世界197カ国で事業を展開しています。

傘下の日本法人の業績は公表されていませんが、営業利益率はグローバルの15%を上回り、2015年上半期は2ケタ増益を果たしたと言われています。(東洋経済オンライン 9月10日より)

このような高収益率重視の販売戦略を取るネスレは、同業他社とは異なる経営スタイルを貫きます。

 

例えば…
・小売りのプライベート・ブランド(PB)に参入しない。
・コンビニエンスストアでの売り上げを極力減らす。
・ディスカウントストアへの営業禁止 など

 

この戦略について、ネスレ日本の高岡浩三社長兼CEOは、東洋経済の取材に対して次のようににコメントしています。

■強いブランド、それも絶対的なブランドであって初めて利益はついてくる。
■本物のブランドなら、お客さんは探してでも買いに来る。
■そうでないと高い利益率を維持できない。

 

では、高収益を生む「強力なブランド」は、どのように育てていけば良いのでしょうか?

 

そのヒントが、前週のメルマガでもご紹介したアル・ライズ氏の著書にありました。彼は著書のなかで「ブランド力」について次のように述べています。

「市場のサイズはどれくらいだろうか。そしてわれわれはそこでその何%を獲得できるだろうか」という発想が誤りの始まりである。

あなたがブランドの成長を考えているのなら、「ブランドの焦点を絞り消費者の頭の中に一つの言葉を所有することによってどれだけの市場を創造することができるだろうか。」と問いかけるのが正解になる。

大事なのはブランドを拡張することではなく、市場を拡張することである。(出典:「ブランディング22の法則」)

 

ブランドターゲットを広げ過ぎてしまうと、顧客に与えるインパクトが弱まり、結果としてブランド力低下に陥る可能性が高くなります。

真に必要なことは、「ブランドの焦点を絞り続け、そのカテゴリーを拡張することである」と言えるのではないでしょうか。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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