税務調査のペナルティ(Vol.249)


6300万レアル(約19億円)。

これは、サッカーブラジル代表のネイマール氏にかけられた脱税疑惑の金額です。事の真相は分かりませんが、すでに司法当局が彼の個人資産である1億8880万レアル(約57億2000万円)相当を凍結したとの報もあります。もはや一個人とは思えないスケールですね。そこで本日は、気になる「税務調査のペナルティ」について解説します。

知っておくべきペナルティ

税務調査で修正項目が発生した場合、その内容によってペナルティが課せられることになります。ペナルティには「延滞税」と「加算税」と呼ばれるものがあり、どちらも本来納めるべき税金額がベースとなって計算されます。つまり、税額が大きければペナルティも高額になっていくのです。

延滞税

その名の通り、納付期限に遅れたことに対する利子として課されるものです。年2.8%ですが、条件次第では最大14.6%が適用されることがあります。

加算税

下記の4つに分類されます。
1.過少申告加算税:少なく税金を申告してしまった場合
2.無申告加算税 :期限内に申告書を提出しなかった場合
3.不納付加算税 :源泉徴収等による税金が期限内に完納されない場合
4.重加算税 :仮装隠蔽している事実があった場合

上記で最も厳しいのが「4.重加算税」です。期限内に申告した場合でも本税部分に対し35%、期限後申告の場合には40%が課せられます。

完納するまで延滞税が上乗せ

ではここで問題です。
問)とある事業会社に税務調査が入ったところ、5年間無申告かつ1年あたり500万円の法人税額があることが判明しました。「仮装隠ぺいしている事実がある」と認められた時、総額でいくらの納税が義務付けられるでしょうか?

本来納税すべき額(5年分)法人税額500万円×5年=2,500万円
2,500万円にかかる重加算税額 2,500×40%=1,000万円
2,500万円+1,000万円=3,500万円
答え 3,500万円+α

なぜ+αが付いているのか、お分かりになりますか?これは、完納するまで延滞税などが上乗せされるためです。1,000万円以上のペナルティは大きなダメージとなり、場合によっては倒産に陥る可能性もあります。また、一度重加算税が課税されると定期的に税務調査が入ると言われています。いかに脱税行為が無駄な事かお分かりいただけたと思います。ちなみに、経費として落とすことはできません。当然ですよね。

全3回に渡って「税務調査」に触れてきましたが、おぼろげながらにもイメージできましたでしょうか?実際に事前通知が来れば、ナーバスになり緊張もするでしょう。事前対策として有効なのは、日頃からの帳簿整理と信頼できる税理士をみつけることではないでしょうか。

 

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