2015.10.01

ビジネスEYE Vol.246


インターネット上で流通する仮想通貨「ビットコイン」には運営会社の破綻や巨額のコインの消失など、負のイメージがつきまとっています。

しかし、その一方で画期的な仕組みと評価する声も多くあります。

そこで、本日のメルマガでは、この仮想通貨に対する取り組みについて、「日本と世界の違い」について考えてみたいと思います。

 

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◆ ビットコインの持つ「本当の力」

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■昨年2月、東京・渋谷に本拠を置く世界有数のビットコイン取引所「マウントゴックス(Mt.Gox)」が、4億7000万ドル(約480億円)相当のコイン盗難で消失したことで経営破綻に至ったことは記憶に新しいところ。

以前から仮想通貨については、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金に悪用されるとの懸念があったものの、日本政府は「ビットコインは通貨ではない」との公式見解を示したのみで、特段措置を講じずにきました。

 

政府としては当面静観するつもりだったようですが、国内で利用者保護を謳う論調が強まったこと、そしてテロ資金対策を担う国際機関である金融活動作業部会(FATF)が「取引所を規制すべきだ」とする報告書を公表したことで風向きが変わり、一転して『規制』へと動き出します。

 

政府の規制案では、「取引所に免許制もしくは登録制を導入」、「顧客資金と会社資金の分別管理を求める」、「口座開設時の本人確認の義務化」などといった内容が盛り込まれるとみられます。また、新法をつくるか、金融商品取引法などの改正で対応するかなども検討されているようで、早ければ来年の通常国会に関連法案が提出されると見込まれています。

 

一方、ビットコインの米国大手取引所クラケンを運営するペイワードのジェシー・パウエルCEOは、ビットコインの未来について次のように語っています。

「ビットコインの最大の用途になるとみられているのは決済だ。次の5年で高機能のスマートフォンが途上国にも行き渡る。途上国で固定電話がなく、クレジットカードや銀行口座も持たない層で最も大きな影響が出るだろう。」

 

「ビットコインは現地通貨とも簡単に交換できる仕組みができている。多額の現金を持ち歩いていたのが、いきなりスマホでビットコインを使って送金や決済をできるようになる。途上国の人々が世界経済とつながる。」

(日本経済新聞 9月27日より)

 

日本を始め、先進国が新しい仮想通貨に対して規制を強化している間にも、必要に迫られた途上国等では有効な決済手段として爆発的な広がりを見せるかもしれません。

 

更に…アメリカはビットコインの持つ可能性に注目しています。

 

ウォール街の大手企業などが仮想通貨「ビットコイン」関連技術の新興企業に3000万ドル(約36億円)を投資しました。投資対象は、ビットコインを支えるシステムを金融資産の取引・移動に応用する方法を金融機関と共同開発しているサンフランシスコの企業チェーン。

 

決済ネットワーク大手のビザや、ナスダック市場を運営するナスダック等の米国企業やフランスの通信大手オレンジがチェーンに投資を始めました。

(THE WALL STREET JOURNAL 9月10日より)

 

実は、これらの大手金融機関が注目しているのはビットコインそのものではなく、ビットコイン取引を瞬時に実行・記録する「ブロックチェーン」と言われる技術だそうです。現行の煩雑で安全性の不十分な手続きに置き換わる新システムが今後誕生すると期待されています。

 

我々日本も、ビットコインに抱く「表面的な負のイメージ」を一度取り払い、ゼロベースで「本質的な価値」を見出す必要があるのかもしれません。

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