2015.09.17

ビジネスEYE Vol.244


甘利明経済再生担当相は14日の閣議に2015年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出しました。
今回の白書は、企業収益や雇用情勢が「およそ四半世紀ぶりとなる良好な経済状況にある」と指摘しています。

そこで本日のメルマガでは、今年度の経済財政白書の課題を取り上げ、中堅・中小企業における対応策について考えてみたいと思います。

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◆ 2015年経済白書
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2015年度の経済財政白書は、「およそ四半世紀ぶりとなる良好な経済状況にある」としつつも、消費税率が5%から8%に上がった後に消費の回復が遅れた主要因として、「賃金の伸びが鈍かったため」と分析しています。
2年前の白書では「増税は経済成長を必ずしも阻害しない」と強調していましたが現実は厳しかったようです。

デフレに入る前の前回増税時(税率が5%に上がった1997年度)は1人あたりの賃金が伸び、働き手も増えていたため、働き手全体の賃金の伸びは物価の伸びを上回り実質所得は前年比で0.6%増。
しかし、今回はベースアップの波及が大企業にとどまり、働き手全体で見ると賃金の伸びが鈍く物価の伸びに追いつかなかったため、実質所得は1.5%減。
(朝日新聞デジタル 8月15日より)

白書は、税率10%に増税予定の2017年4月を睨んで、「今後は実質賃金の伸びを高めていくことが重要」と記しています。

一方、白書は、日本経済の今後について「人手不足が経済成長の制約になる」と指摘し、働き手を増やすため、女性がフルタイムで働ける環境の整備を求めています。
中堅・中小企業においても、人手不足への対応は今後重要な課題ですが、主婦層を含め、あらゆる働き手を確保する際にキーワードとなるのが、「働き方の多様化」です。

大手国内衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングでは、今年10月から、一部の希望する労働者を対象として週休3日制を導入すると発表。
介護や子育てなどを抱えた人でも働きやすい環境を作り、人材の確保につなげる方針です。

今後、人材確保に必要なインフラとしては、一定以上の給与水準を確保したうえで、働く時間や働く場所の多様性を備えることが、必要になると言えるでしょう。

さらにもう一歩踏み込むと、お客さんからだけでなく働き手からも「応援される企業」となるような経営理念、社風を持つことが人材確保のキーワードの一つとなるのではないでしょうか。

人も企業も成長していくためには、あらゆる関係者を巻き込み、「応援し、応援される」という関係性を築いていく必要があります。

特に人手不足の時代においては、重要な「成長エンジン」と言えそうです。

 

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

 

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