2015.08.27

ビジネスEYE Vol.241


米検索大手グーグルが、持株会社「アルファベット」を新たに設立し、主力のネット検索・広告事業とドライバーレス(無人運転)カーなどのベンチャー事業を分離して新会社の傘下に収めると発表しました。

これにより、第4四半期から中核のグーグル事業と残りのアルファベットの事業の決算が分かれて報告されることになります。
(THE WALL STREET JOURNAL 8月11日より)

そこで本日のメルマガでは、持株会社移行によるメリット、並びに注意点についてお話しいたします。

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◆ 持株会社の「メリット」と「注意点」
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■今月10日、米グーグルが『持株会社制』に移行すると発表しました。

事業を統括する持株会社として、新会社「アルファベット」社を設立し、中核のインターネット検索・広告事業とドライバーレス(無人運転)カーや住宅、医療など立ち上げて間もない事業(いわゆるベンチャー事業)を分離した格好で、事業子会社化すると見込まれています。

アルファベット社の創業とCEOに就任するラリー・ペイジ氏(米グーグルの創業者でありCEO)は、持株会社制に移行する狙いを下記のように説明しています。
「(グーグルの本業と)関連性の薄い事業を強いリーダーシップと高い独立性の下で運営し、成功に導くことにある」。
(日本経済新聞 8月11日より)

同社は、持株会社制のメリットを最大限に活かし、各事業の透明性を高めることで経営責任を明確にし、多角化を加速させる狙いがあるとみられます。

■持株会社制は社内の部門を“独立の会社”とすることで、上記以外にも「労働条件の改定」や「リスクの分散」などといった利点があります。
また、『事業承継の際に相続税対策として活用できる』というメリットもあるのです。

持株会社を設立することにより、事業会社の株式を“直接保有”している場合と、“間接保有”している場合とでは、株価の評価方法に相違点があることを利用します。

具体的には、持株会社で子会社化した事業会社の株式を間接的に所有している場合は、持株会社の純資産価額の計算上、含み益に対する40%相当額が控除されます。
つまり、直接保有と比べ、含み益による株価の上昇率を大幅に抑制することができるのです。

ただし、持株会社を利用した相続税対策には次のような点に注意が必要です。

1.持株会社が子会社株式しか保有しない「完全持株会社」の場合
「株式保有特定会社」に該当するため、一般的に評価額が高くなる「純資産価額方式」で評価が行われてしまうので、
通常の場合に比べ持株会社化しただけでは株価を下げることができない場合があります。

2.他の事業を行い「事業持株会社」となった場合
開業後3年間は「純資産価額方式」でしか評価ができないため、節税対策は長期的視点で考える必要があります。

持株会社制の利用有無を含め、事業承継・相続税対策を行う際には、しっかりと「出口」を見据えた対策を早い段階から練っていくことが肝心です。

※前提条件により持株会社化が相続税対策に有効とならない場合もございますので、ご注意ください。

以上、中村 亨の【ビジネスEYE】でした。

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