中村亨の「ビジネスEYE」です。
新型コロナウイルスへの感染対策や緊急事態宣言などのコロナ禍の影響で、テレワークを導入する企業が増えていますが、中小企業などにおいては、コスト面などからこのテレワークの導入に踏み切れないことも多く、その導入の促進が課題となっています。
今回のビジネスEYEでは、テレワーク導入促進に向けた国の支援制度として、「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」をご紹介します。
人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは
令和3(2021)年4月に創設、12月に一部支給要件が拡充された制度で、時間外労働の削減や、従業員の労働環境の改善といった働き方改革の一環として、テレワークを導入する中小企業に対して、導入費用の一部を助成するものです。
この制度は今回新たに導入する企業だけでなく、試行的に導入している(していた)企業も対象となり、さらに助成対象となる経費の範囲も「テレワーク用サービス利用料」を新たに加えることで、より導入しやすくなったと言えます。
この助成金には
①テレワーク導入の基準を満たすと支給される「機器等導入助成」
②導入後に離職率などの目標を達成すると支給される「目標達成助成」
と呼ばれる2段階の要件があります。
①及び②の両方の要件を満たすと、最大で200万円の助成金を受給することができます。
受給要件を満たすために必要な取り組み
①機器等導入助成
■受給額:
1企業あたり、支給対象となる経費の30%
※100万円⼜は「20万円×対象労働者数」のいずれか低い⽅の⾦額が上限額
■満たすべき基準:
1.テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局に提出してその認定を受けること
2.計画認定日以降、機器等導入助成の支給申請日までに、テレワークに関する制度について就業規則又は労働協約を整備すること
3.認定を受けたテレワーク実施計画に基づき、実際にその取り組みを実施すること
4.評価期間(機器等導入助成)に以下の2つの基準を満たすこと
Ⅱ.評価期間(機器等導入助成)にテレワーク実施対象労働者が週平均1回以上テレワークを実施する
②目標達成助成
■受給額:
1企業あたり、支給対象となる経費の20%
※一定の生産性要件を満たす場合は35%
※100万円⼜は「20万円×対象労働者数」のいずれか低い⽅の⾦額が上限額
■満たすべき基準:
1.離職率に関する次の2つの目標の達成をしている。
Ⅱ.評価時離職率が30%以下であること
2.評価期間(機器等導入助成)初日から12カ月を経過した日からの3カ月の間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、次に示す人数以上であること。
新型コロナウイルスへの感染対策や緊急事態宣言などのコロナ禍の影響で広まったテレワークですが、働き方改革も相まって今後も企業のテレワークへのニーズは高まると予想されます。
新規にテレワークの導入を検討されていたり、すでに導入されていて継続にあたり課題をお持ちの企業様は、ぜひ人材確保等支援助成金(テレワークコース)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
厚生労働省HP
人材確保など支援助成金(テレワークコース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/telework_zyosei_R3.html
日本クレアス税理士法人|日本クレアス税理士法人│コーポレート・アドバイザーズでは、会計の専門家の視点から、経営者の次の智慧となるような『ヒント』をご提供しています。