消費税インボイス制度登録申請手続(vol.581)


こんにちは、中村亨です。

2002年9月に創業した私たち日本クレアス税理士法人│コーポレート・アドバイザーズグループは、この20年間で、会計・税務に限らず、M&A、IFRS、J-SOX、FAS、給与計算、社会保険手続、労務コンサルティング、資産承継分野等、業態を広げてきました。

そして2022年9月1日、また新しい法人を設立しました。
「弁護士法人日本クレアス法律事務所」です。

企業理念として「Long Term Good Relation」を掲げ、お客様のあらゆるニーズに応えることをモットーに「総合型」の会計事務所グループを目指してきたマイルストーンの一つが弁護士法人だと思っています。

幅広い業務を扱う法律事務所にて研鑽を積んできたメンバーだけでなく、東京国税不服審判所の審判官として、税務の実情に精通し複雑な租税案件に接してきた弁護士も迎え、総合型の会計事務所グループとして新たなる一歩を踏み出しました。

手前味噌になりますが、所属する弁護士たちは明るく前向きな人柄で、真摯にお悩みを解決できるよう尽力します。初回のご相談は無料にて承りますので、お気軽にご連絡ください。


弁護士法人日本クレアス法律事務所 弁護士紹介

消費税インボイス制度登録申請手続

今回のコラムは、消費税インボイス制度です。

あと1年余りで導入開始となりました。
当グループの根幹を担う日本クレアス税理士法人でも、お客様へのご説明や適格請求書発行事業者の登録申請の代行などの案内を順次行っています。

国税庁もインボイス・コールセンターに寄せられた質問から「お問い合わせの多いご質問」を8月31日に更新しており、導入開始日が迫ってきて、より実務に即した内容が充実してきたと言えます。

出典:お問い合わせの多いご質問(令和4年8月31日掲載)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0521-1334-faq.pdf

適格請求書発行事業者の登録手続の流れ

2022年10月1日のインボイス制度導入後においては、「適格請求書発行事業者」から交付を受けた「適格請求書」「適格簡易請求書」等の保存が消費税の仕入税額控除の要件となります。

つまり、適格請求書発行事業者の登録申請を行わないと、適格請求書の交付を行うことができず、交付を受けた買い手側で仕入税額控除ができず買い手の不利益となることになるため、適格請求書発行事業者は基本的に消費税の課税事業者の必須要件となることが前提です。

■発行事業者の登録申請と登録までの流れ

インボイス制度が始まる2023年10月1日から、適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者は、原則として導入開始の半年前である2023年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。

登録申請書は【1】「紙による郵送で提出する方法」(送付先は地方主要都市ごとに所在する各国税局のインボイス登録センター)のほか、【2】「電子申告(e-Tax)により提出する方法」を利用して提出することができます。(個人事業主はスマートフォンでも手続が可能です。)

登録を受けた事業者は登録通知を受けることになり、登録後に「国税庁適格請求書発行事業者公表サイト」において発行事業者の情報が公表されます。
登録申請を行ってから登録通知を受けるまでの期間については、期限が迫ってからであったり、登録申請に不備や誤りがあったりすると登録センターの処理や再申請などに時間を要することも考えられるため、余裕を持った申請が求められます。

■登録通知方法の2パターンと電子通知のメリット

適格請求書発行事業者の登録通知については、【1】「紙による提出方法」の場合は、紙で登録番号(T+マイナンバー13桁の番号)等が記載された通知書を受け取ります。
【2】「e-Taxによる提出方法」の場合は、登録番号等が記載された通知書を電子データで受け取ることができます。(登録申請時に電子通知の受取りを希望した場合に限るため注意が必要です。)
電子データで通知を受け取る場合には、下記3点のメリットを享受できます。

  • 書面より早期に通知を受け取ることが可能
  • 電子保存を行うことで紙での通知書の紛失の恐れがない(紙通知書は原則として再発行不可)
  • 電子通知をPDFファイルとして、取引先に登録番号通知の手段とする二次利用が可能

■免税事業者が経過措置期間中に発行事業者登録をする場合の特例措置

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには原則として、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になる意思表示をしなければなりませんが、発行事業者の登録される日がインボイス制度開始日の2023年10月1日から6年後の2029年9月30日まで(経過措置期間)の日の属する課税期間中の場合は、特例として「消費税課税事業者選択届出書」を提出しなくても、「適格請求書発行事業者登録申請書」の提出のみで良いとされています。

また、上記の経過措置期間に登録申請を行う場合、登録申請書に記載する「登録日」から課税事業者かつ適格請求書発行事業者となる特例措置となっているため、「登録日」が課税期間の中途の日であったときは、課税期間の中途から適格請求書発行事業者となり、かつ消費税の申告納税義務が発生します。

この経過措置期間中の特例の適用を受ける「登録日」の属する課税期間が2023年10月1日を含まない場合(インボイス制度開始日の属する課税期間後の課税期間の場合)は、「登録日」の属する課税期間からいわゆる「2年縛り」の規定が設けられていますのでご注意ください。

■免税事業者が簡易課税制度の選択適用を受けるケース

簡易課税制度は基準期間(前々期)の課税売上高が5,000万円以下であり、原則として適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「簡易課税選択届出書」を提出する場合に、任意適用を受けることができる制度です。

前述のように免税事業者が登録日から課税事業者となることができる経過措置が設けられていますが、この適用を受ける場合は、「登録日」の属する課税期間中にその課税期間から簡易課税制度の選択届出書を提出したときは、遡ってその登録日の属する課税期間から簡易課税制度を選択することができる特例措置を設けています。

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