パワハラ防止対策は万全ですか?(vol.591)


こんにちは、中村亨です。

皆さんの会社ではパワハラ防止に向けた社内対策は万全ですか?

2022年4月より、中小企業を含め全企業に義務化されたパワハラ防止法(正式名:労働施策総合推進法)。ハラスメントが多様化している昨今では、パワハラのみならず、様々なハラスメントが複合的に生じることも考えられます。
万が一、社内でハラスメントが認められた場合、当事者間の問題だけではなく、会社に対する損害賠償リスクが生じます。

パワハラ防止法:事業主が雇用管理上で講じるべき4つの措置

以下の4つが事業主に義務付けられています。詳細は1項目ずつ見ていきましょう。

  1. 事業主の方針等の明確化および周知・啓発
  2. 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
  4. 併せて講ずべき措置

1.事業主の方針等の明確化および周知・啓発

パワーハラスメントを行ってはならないことやパワハラを行った者に対する懲戒規定を就業規則等に定め、研修を行い、従業員に啓発していくことが求められています。研修を実施する場合は、管理職、一般職といった職位階層ごとの研修が効果的です。

2.相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

相談窓口を設置するだけではなく、相談しやすい体制を構築することが大切です。窓口担当者の初動対応のまずさが相談者を二重に傷つけてしまう二次ハラスメントを引き起こす要因にもなるため、相談窓口担当者に対する研修も有用です。

3.職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

ハラスメントの訴えがあってから対応を検討していては遅く、迅速に対応するためには、対応手順をマニュアル化しておくことが肝要です。「これはパワハラにあたるのか否か」に時間を割いてしまい調査開始が遅くなってしまうと、相談者の怒りの矛先が行為者から会社へと移り、会社に対する使用者責任を問われることもあります。部署間の連携や具体的な手順を事前に整備しておきましょう。

4.併せて講ずべき措置

調査を進める上では、相談者や行為者のプライバシーに係る情報を取り扱うことが多いため、プライバシーに関する保護措置や相談したことによる不利益な取扱いは法律上禁止されています。相談内容が漏れた場合は、相談者から二次ハラスメントとして訴えられる可能性がありますので要注意です。

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