2021.11.18

全ての事業者が義務となる「改正電子帳簿保存法」-中小企業に求められる対応(Vol.546)


令和4年1月1日に行われる電子帳簿保存法の改正は、【電子帳簿保存の選択をしなくても、全ての事業者が原則として電子保存が義務化】されます。電子取引においては、「電子データで受領してもそれを紙に印刷して保存すればいい」このような従来と同じ運用は通用しなくなります。保存要件を満たさなければ最悪のケースでは青色申告の承認取消となってしまいます。間近に迫る改正について、中小企業に求められる対応についてメルマガでご案内します。

また、当グループでは電子帳簿保存法の正しい理解にお役立ていただけるセミナーを開催します。改正点の正しい理解と今後の運用のために、あわせてぜひご活用ください。

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対象書類3つの区分

領収書や請求書、契約書、決算書、出納帳など経理書類は多岐にわたりますが、その中で電子帳簿保存法上では大きく3つの区分に分類され、それぞれの区分ごとに電子的に保存する方法が異なります。

①国税関係帳簿・・・仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳 等

会計ソフト等で電子的に作成した帳簿は、データをそのまま保存することが可能です。(電子帳簿保存)

②国税関係書類・・・貸借対照表、損益計算書、請求書、領収書 等

自己が一貫してパソコンで作成した貸借対照表等の決算書類、請求書等の控えは、データをそのまま保存することが可能です。(電子帳簿保存)相手方から受領した紙書類は、スキャンした電子データでの保存が可能です。(スキャナ保存)※

③電子取引・・・メールに添付された請求書PDF、請求情報が記載されたメール、スマホ決済の画面、ネットバンキングの振込画面、amazon等ショッピングサイトからダウンロードする領収書、交通系ICカードによる支払データなど

【電子取引の取引情報は、オリジナルの電子データでの保存が義務となります。(電子取引)】※

※一定の保存要件があります。

上記3つの区分の中から「③電子取引」を取り上げ運用の重要なポイントを解説します。

すべての事業者が原則として電子保存義務化

改正電子帳簿保存法は、令和4年1月1日以降の電子取引が対象となり、電子データで受領したものは、電子データのまま保存することが義務付けられます。つまり、「電子データで受領してもそれを紙に印刷して保存すればいい」このような従来と同じ運用は通用しなくなるのです。

請求書などのデータ受領方法と保存方法

A :書面でのみ受領 ⇒ 書面の保存可(電子データ化不要)
B :書面と同一内容の電子データを受領・・・書面を原本として受領 ⇒ 書面の保存可
B’:書面と同一内容の電子データを受領・・・データを原本として受領  ⇒ 電子データを保存【義務】
C :データのみ受領  ⇒ 電子データを保存【義務】

保存要件を満たして保存しなければ、『最悪のケースでは青色申告の取消対象』※となります。改正内容をしっかり理解し、社内の対応を進めることが重要です。※取引内容の確認ができ、申告内容が正しく、書面保存以外の特段の事由がないような場合は青色承認の取消し等にならない(国税庁「電子帳簿保存法一問一答」)、と国税庁は補足しています。

中小企業に求められる対応(保存の仕組み)

電子データ保存については、市販のシステムを導入するよりも、金銭的・工数的なコストを最小限に抑えるという観点では、手作業で社内対応」が現実的であると思われます。

振込承認などの社内フローは今まで通りとしながら、電子データを回収して電子データのまま保存する仕組みを整える必要があります。その際には、以下2つの両方の対応が必須です。

【1】検索機能の確保
・「取引年月日」「取引金額」「取引先」の条件で検索できる

【2】改ざん防止(a~dのいずれか)
・a:データ削除しないよう規定を整える(⇒運用上、aが最も現実的な対応方法と思われます)
・b:発行元にタイムスタンプを付与してもらう
・c:自社でタイムスタンプを付与する
・d:データ削除できないシステムを使う

■3割の企業が把握していない「紙保存不可」

改正により、電子メールで受け取るPDFファイルのデジタル請求書などは、税務上で紙に印刷して保存することが認められなくなります。これについて29.3%の企業が把握していなかったと回答した調査結果が明らかになりました。(※LayerX調査(税理士新聞第1718号))

これまで電子取引(電子データで受領した請求書等の書類など)は「電子保存」と「紙保存」のどちらも認められていましたので、電子データを紙出力して保存管理を行っていらっしゃったかと思います。しかし、今回の改正で電子取引については電子データのみでの保存を義務化しております。

保存には一定の要件があり、単に電子データ化をすれば良いわけではないので、社内のインフラ、規定などに相当の準備を要することとなりますが、この電子取引の保存義務化は全ての事業者に影響を与える改正であるものの、運用する企業側の理解はまだまだ十全ではないというのが現状のようです。

当グループでは、改正電子帳簿保存法の正しい理解を促進するためのセミナーを開催いたします。参加無料、オンラインで全国どこからでもご参加いただけますので、ぜひご参加いただき来る改正に備えていただきたいと思います。皆様のご参加お待ちしています。

 

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令和3年度の税制改正により抜本的な見直しが行われた「電子帳簿保存法」について、
実務的な観点からその内容を解説します。

改正では要件の緩和が行われており、一見適用しやすい環境になったと考えられがち
ですが、正しいデータが適切な形で保存されている状況を会社の責任で整える必要が
あるため、電子帳簿保存法の正しい理解は欠かせないものと考えます。

また、電子データで受け取った請求書等の保管について紙に印刷しての保存が認められ
なくなりましたので、その留意点についてもご説明いたします。

<講師>
株式会社コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング
執行役員 公認会計士 小林宮子/マネージャー 公認会計士 古市薫

※事前予約が大変好評のため、2022年1月に追加開催を予定しておりますが、
事前準備を目的とされる方はなるべく早めのご参加をお勧めします。

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※広報誌ANGLE12月号では、今回のメルマガの内容を含めて分かりやすく紙面にしています。
「請求書」「立替経費」取扱いの具体例なども掲載してます。ぜひご参考ください。

◆広報誌ANGLE12月号より「改正電子帳簿保存法-中小企業に求められる対応(PDF)
https://j-creas.com/wp-content/uploads/2021/11/ANGLE202112.pdf

 

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