2022.01.27

改正電子帳簿保存法-電子データ紙保存の宥恕措置(Vol.553)


中村亨の「ビジネスEYE」です。

12月10日に公表された「令和4年度与党税制改正大綱」では、改正電子帳簿保存法において令和4年1月1日から電子取引の電子データ保存が義務化されることになっておりましたが、税務署長への事前申請を不要とした紙保存容認の適用がされることになりました。

これにより、令和4年1月初日から令和5年12月末までの2年間は電子取引についてこれまで通りの紙保存と電子データ保存のどちらでも対応が可能となります。

今回の税制改正大綱と、その後追って国税庁より12月末にリリースされた「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」の追加問答集を読み解き、その取扱いについてご説明いたします。

【税制改正大綱】宥恕措置の内容

令和4年度与党税制改正大綱では今回の宥恕措置について次のように記載しています。

令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間の電子取引につき、「所轄税務署長が当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め」、かつ、「当該電磁的記録の出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合」には,その保存要件にかかわらず,その電磁的記録の保存をすることができることとする経過措置を講ずる。

(注1)令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報について適用する。
(注2)上記の電子取引の取引情報に係る電磁的記録の出力書面等を保存している場合における当該電磁的記録の保存に関する上記の措置の適用については、保存要件への対応が困難な事業者の実情に配意し、引き続き納税地等の所轄税務署長への手続を要せずその出力書面等による保存を可能とするよう、運用上、適切に配慮することとする。

紙以外の電子データのみで取得したものについては、令和4年1月より電子データ保存が義務化となっておりましたが、電子データ保存ができなかったやむを得ない事情があり、かつ税務調査で紙提出の求めに応じる場合には税務署への手続等は不要で2年間の紙保存を認めることとしています。

なお、ここで言う「やむを得ない事情」ですが、「社内インフラ設備の導入が予算の関係で遅れた」「社内規定作成の法整備が1年では対応が間に合わず不可能だった」などの理由が考えられます。

【電子帳簿保存法一問一答】

先の税制改正大綱を受けて、令和3年12月末に国税庁が「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」の追加問答集をアップしました。次のように記載しています。

問41-2
令和4年度税制改正で経過措置として整備された宥恕措置を踏まえ、令和5年 12 月 31 日までに行う電子取引については、保存すべき電子データを書面に出力して保存し、税務調査等の際に提示又は提出ができるようにしておいていただければ差し支えありません。
(中略)
この宥恕措置の適用にあたっては、保存要件に従って保存をすることができなかったこと
に関するやむを得ない事情を確認させていただく場合もありますが、仮に税務調査等の際に、税務職員から確認等があった場合には、各事業者における対応状況や今後の見通しなどを、具体的でなくても結構ですので適宜お知らせいただければ差し支えありません。

税務署への手続が不要であるため、税務調査時に税務調査官に口頭でやむを得ない事情を簡単に説明することができれば、問題ないものと考えられます。

ペナルティに対する取扱い

また、令和3年11月にリリースされた「お問い合わせの多いご質問」(電子帳簿保存法一問一答、追加問答集)においても、青色申告承認の取消しなどのペナルティに対する取扱いについて記載されています。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。

これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。

これまで通り、紙により適正に帳簿書類や原始証憑を保存しているのであれば、この2年は罰則等がないものと思われます。

ただし、令和6年1月からは電子データ保存が義務化されることに違いはございませんので、この2年間を社内インフラや規程の整備を行っていただく準備期間としていただければと思います。

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