「古い対談なので連載はやめましょう。」
HPリニューアルにあたり、社内からはこういった意見もあがりました。しかしこの対談では、当社の理念の礎となる重要なメモリーワークが語られています。読み返すたびに私のベンチャースピリットをくすぐる当時の熱い想いが蘇ります。この対談を残すことで、共に挑戦し続けるスタッフにもこの軌跡に込められた想いを伝えたい。そして私自身がCAに対するロマンを見失うことなく挑み続けたい。だからこそこの対談は引き続き連載させていくべきだという決断に至りました。
本田さんと共に成し遂げた「バックスグループの上場」というミッションは、当時とても難易度の高いものでした。1つの目標に向け共に挑んだ彼とは、「戦友」として今も互いに信頼し合い、プライベートでも深い関係性を築いています。彼の仕事に対する姿勢からは、学ぶものがたくさんありました。特に何かをやり始めると驚異的な集中力を発揮し、スピーディーにやり遂げる決断力と瞬発力。そのストイックさには目を見張るものがあります。
「短期集中型」の彼とは対照的に私は「長期集中型」。
仮説と検証を繰り返し、“継続は力なり”を地でいくタイプです。タイプの違う我々だからこそ互いに刺激を受け成長することで、このIPOをやり遂げられたのだと感じています。
かつて監査法人に所属していた時のように、業務の慣れに甘んじ、信念に反し「実質」よりも「形式的」な仕事をしていた頃。このミッションが、私の信念でもある「会計士として中小企業やベンチャー企業の成長のため本気で向き合いたい」という熱い思いを奮起させました。経営的な視点と会計士の視点を併せ持ち取り組む私に対して、彼からの信頼は絶大なものでした。私の意見に真摯に耳を傾け、共に戦略を練る毎日。それが叶った瞬間、幾多の困難も喜びへと姿を変えました。
この対談を読み返すたびに、ひたむきにクライアントを思い、信念を貫いた当時を思い出します。彼と私の関係性こそ、弊社の目指す「Long Term Good Relation」の形。会社を成長させ、1人でも多くの熱い信念を持つプロフェッショナルを育て、日本の企業に活力を与えたい。この対談を残すことで、常に己を奮い立たせ、「Long Term Good Relation」の精神を広く世に伝える。
それがコーポレート・アドバイザーズを担う私の責任であり、信念です。明治大学商学部を卒業後、シティバンクなどの外資系企業を経て、株式会社バックスグループの経営に参画。同社で常務取締役としてジャスダック市場の株式上場を果たす。2004年にレバレッジコンサルティング株式会社を設立し、代表取締役社長兼CEOに就任。日米のベンチャー企業への投資事業を行いながら、少ない労力で多くの成果をあげるための「レバレッジ」マネジメントのアドバイスを行う。また累計70万部を超えるベストセラーになった「レバレッジ」シリーズの著者でもある。現在は東京とハワイに拠点を構え、1年の半分をハワイで過ごす。(株式会社コーポレート・アドバイザーズの取締役も兼務)