個人事業者の事業承継において相続税・贈与税がほぼかからないことに
2018年度の税制改正において、事業承継税制が使い勝手がよくなったこともあり、法人向けの事業承継税制の認定申請件数は飛躍的に増加しました。個人事業者においても、円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ、2019年度税制改正において「個人版事業承継税制」が創設されます。
【ポイント】10年間限定で、多様な事業用資産の承継に係る相続税・贈与税を100%納税猶予されます。
■多様な事業用資産が対象
事業(不動産貸付事業等を除く)を行うために必要な事業用資産
土地・建物 …土地は400㎡、建物は床面積800㎡まで
機械・器具備品 …ユニット・レントゲン・その他診療機器 等
車両・運搬具
生物 …果樹等
無形償却資産 …特許権
※青色申告書に添付されている貸借対照表に計上されている資産に限定されています。
■相続税だけでなく贈与税も対象
贈与による早期の事業承継準備を支援
■納税額の全額(100%)が納税猶予
承継時の後継者の現金負担をゼロに
■10年間の時限措置
2019年1月1日から10年間に行われる相続・贈与が対象
■事前認定が必要
個人版事業承継税制を適用するためには、経営承継円滑化法に基づく認定が必要となります。認定や報告等は、申請者の主たる事業所が所在している、都道府県となります。適用をご検討の方は2019年4月1日から5年以内に、予め承継計画を提出する必要がございます。
■小規模宅地等特例との併用ができない
また、個人版事業承継税制と事業用小規模宅地特例との併用はできませんので、相続税の申告の際に注意が必要となります。
■承継後の事業廃止、または事業用資産の譲渡は納税が復活
後継者が事業を廃止した場合、または事業用の資産を譲渡した場合には猶予されず、納税義務が再び発生します。
法人、個人ともに事業承継税制の適用ができることとなりましたので、将来的に事業の引継ぎが必要な方は、ぜひご相談ください。
日本クレアス税理士法人が発行している医療向け情報誌「CLIENT(クライアント)」2019年5月号よりご紹介いたしました。
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