2015.11.15

「出国税(国外転出時課税制度)」の創設、「財産及び債務の明細書」「国外財産調書」の提出制度改正


平成27年度税制改正において、所得税・相続税の申告の適正性を確保する観点から、出国税の創設、財産及び債務の明細書と国外財産調書の改正が行われました。国内外に財産を保有されている方、または海外移住等を検討している方への課税が強化されています。

「出国税(国外転出時課税制度)」の創設-金融資産1億円は株式以外の資産も含む

時価1億円以上の有価証券を保有する方が海外移住等をする場合、「金融資産の含み益に対し、出国時に所得税及び復興特別所得税を課す」という税制、いわゆる「出国税」が創設されました

平成27年7月1日以後の出国や海外移住に加え、1年を超す海外転勤や留学も対象となります。

出国税(国外転出時課税制度)の対象者の要件

出国税は、下記の金額要件と移住要件の両方を満たした方が対象となります。

金額要件
有価証券等の価額、未決済デリバティブ取引等の決済にかかる利益の額、もしくは損失の額の合計額が1億円以上である方(国外転出の時、または国外転出の予定日の3か月前の日において)

居住要件
国外転出の日前10年以内に、国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超える方

このような制度は、アメリカやドイツ等ではすでに導入されています。「出国税」の創設により、富裕層が株式を保有したまま軽課税国に移住し、日本における税負担を回避するといったスキームが難しくなります。

出国時に納付できない方や後に帰国を予定されている方は、納税猶予の特例を受けると、出国税の納付が猶予されます。手続きに関しましてはご相談ください。

 

「財産及び債務の明細書」の提出制度改正

従来の「財産及び債務の明細書」は、「財産債務調書」へと名称が変わりました。平成28年1月1日以後に提出すべき「財産債務調書」に適用されることになります。

「財産債務調査」の要件の見直し

■提出基準

改正前
年間の総所得金額及び山林所得金額の合計が2,000万円超

改正後
(1)年間の総所得金額及び山林所得金額の合計が2,000万円超
(2)その年の12月31日時点に3奥苑以上の財産を保有又は国外転出特例対象財産(有価証券や未決済デリバティブ取引にかかる権利等)を1億円以上保有
(1)と(2)の両方を満たす方が対象となります。

■記載事項

改正前
財産の種類、数量および価額

改正後
(1)財産の種類、用途、所在別に、数量と価額を記入
(2)財産の価額は、その年の12月31日における時価または見積価額を記入。また有価証券等については、銘柄、取得価額等を記入

また、「財産債務調書」の適正な提出へのインセンティブとして、所得税または相続税にかかる過少申告加算税について、5%が軽減される特例措置が設けられました。

「国外財産調書」の提出制度改正

居住者の方でその年の12月31日において、国外に5,000万円超の資産を有する方は、その国外財産の種類、数量及び価額当を記載した国外財産調書を、その年の翌年の3月15日までに所轄税務署に提出しなければなりません。

国外財産調書の制度は平成26年1月1日より施行されていますが、平成27年1月1日以後、未提出等の場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が処される措置が追加されました

 

日本クレアス税理士法人が発行している広報誌「ANGLE(アングル)」2015年11月号よりご紹介いたしました。

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