2021.01.28

令和3年4月1日開始「消費税の総額表示」完全義務化


「総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う消費税の課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含みます。)を含めた価格を表示することをいいます。

総額表示の義務化は、これまでの「税抜価格表示」ではレジで請求されるまで最終的にいくら支払えばいいのか分かりにくく、また、同じ商品やサービスでありながら「税抜表示」と「税込表示」が混在しているため価格の比較がしづらいといった状況を解消するために、消費者が値札等を見れば「消費税相当額を含む支払総額(いわゆる税込価格)」が一目で分かるようにするもので、平成16年4月から実施されています。

消費税総額表示の期間について

実は、総額表示の義務化は、以前の消費税法改正により平成16年4月1日からすでに始まっていました。しかし、事業者への負担を配慮する観点から、消費税転嫁対策特別措置法により義務化を猶予する特例期間が設けられていました。この特例期間は平成25年10月1日から令和3年3月31日までですので、いよいよ総額表示の完全義務化は、令和3年4月1日からスタートすることになります。

店舗内の値札をはじめ、ポスター、チラシ、インターネット上のホームページ内の価格表示など、すべての商品価格を税込額に変更する必要がありますが、時間や労力がかかることを想定し、事業者の皆様は早めに準備を進める必要があるかと思われます。

なお、令和3年3月31日までの特例期間中は「○○円(税抜)」や「税抜価格+税」など誤認防止措置を講じていれば税抜価格表示が可能でしたが、4月1日からは税抜価格のみの表示は認められなくなりますので注意してください。

総額表示の対象となるもの、ならないもの

総額表示義務は、不特定多数の一般消費者に商品販売・サービス提供をする場合を対象としています。具体的には次のようなものになります。

・商品に貼り付ける値札の表示
・商品パッケージなどへの印字印刷の表示
・店頭やダイレクトメールのPOP・チラシ・ポスターの表示
・商品カタログの表示
・インターネットの販売ページや電子メールなどの媒体を利用した広告表示
・テレビ・新聞のマス広告の表示 など

実務上のポイント

実務上は、4月1日までに,全ての商品の切替が完了していない場合も想定されるかと思われます。その場合,幾つかの商品本体に税抜価格のみの表示が残ることになるかもしれませんが、この場合には上述例にある値札やPOPなどで商品の「税込価格」が一目で分かるようになっていたり税込価格を表示したカード等を挟み込むことを行えば総額表示に該当することになります。

また,インターネットやカタログなどの通信販売において,ウェブ上やカタログ上で「税込価格」が表示されていれば,送付される商品自体に「税抜価格」のみが表示されていたとしても,総額表示の義務違反にはならないとされております。

このように今回の義務化によって、値札の張替え、商品パッケージの差替えなど、作業負担・コスト負担が増大することを懸念する声も出ているのも事実かと思われます。

なお、総額表示の義務付けは価格表示を行っていない場合について表示を強制するものではありません。また、店員などが消費者に口頭で価格を伝える場合や、一般消費者の目に入らない事業者間同士の見積書や契約書、請求書や領収書は、総額表示義務の対象とはなりません

総額表示の具体的な表示方法

例えば、次のように「税込価格」が表示されている価格表示が総額表示とされています。

なお、税込価格の設定を行う場合に、1円未満の端数が生じるときは、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法で処理してもよいこととされています。

総額表示の具体的な表示方法

  • ・11,000円
  • ・10,000円(税込11,000円)
  • ・11,000円(税込)
  • ・11,000円(税抜価格10,000円)
  • ・11,000円(うち消費税額等1,000円)
  • ・11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)

罰則規定は設けられていません

 財務省のホームページには次のように記載がされていますので、罰則などは現在のところ設けられていないと思われます。

「総額表示」の義務付けは、価格表示を行う場合を対象とするものであって、価格表示を行っていない場合について表示を強制するものではありません。

しかし上記とは別に、意図的に税込価格を小さく表示するなど、税抜価格が税込価格であると一般消費者に誤認されるような表示を行った場合には「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に違反する可能性がありますのでご注意ください。

 

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